中山功太にあのちゃん…芸能人の発言による炎上トラブルの背景

お笑い芸人・中山功太による “イジメ告発”騒動が世間を騒がせる中、今度は歌手でタレントのあのちゃんが自身の発言をキッカケにした騒動で自ら降板を申し入れて冠番組が終了する事態に発展して話題となっている。
あのは5月18日に放送されたテレビ朝日系『あのちゃんねる』での「ベッキーの次に嫌いな芸能人は?」との質問に対し、鈴木紗理奈の名前を挙げた。
すると、番組放送後に名指しされた鈴木本人がInstagramのストーリーズを更新し、《私が出てもない番組で 嫌いな芸能人の名前は?という質問で普通に鈴木紗理奈、とあるタレントさんに私の名前出されてた。だいぶ後輩なうえ、そんなにからみもない》と不快感をあらわに。
さらに、《普通にショックやし、共演してない時に言うとか意味わからん》や《普通にいじめやん》、《私のこと嫌いで結構やけど そういうのおもんないし、あんたが損するで》などと投稿し、インターネットやSNS上ではあのに対する批判が殺到した。
その後、同月22日には番組サイドが「スタッフの配慮が足りず、不快な思いをさせてしまった」などと謝罪。
翌23日にはあの本人がXを更新し、番組の演出を巡ってゲストに負担をかけるような企画や暴露系の企画などを止めるように制作陣に何度も意見してきたものの、まったく改善されてこなかったと告白。そのうえで、《もう続けたくないので番組を降ります。つまり、番組が終わるということになると思います》と番組の降板を宣言した。
その一方、あのが番組放送後に《先に嫌なことされてるとは考えないんだな》と投稿(※その後に削除)していたり、同月21日夜にはInstagramのストーリーズで《まあよかったんじゃないっすか うまくいって》と投稿していたことも注目を集め、一部では鈴木への“煽り”ではないかという指摘もあった。
そうした中、同月26日には鈴木の所属事務所が今回の騒動についての声明を発表。
所属事務所は「お騒がせしておりますことを、まずは率直にお詫び申し上げます」と謝罪したうえで、鈴木がSNSで発信した真意として「特定の個人を非難することではなく、本人が不在のまま話題として扱われる演出や、その内容がそのまま放送されることに対する率直な思いでございます」と説明。
番組で鈴木の名前を挙げたタレント個人への攻撃ではなく、制作側の演出手法に対する疑問であったことを強調しつつ、バラエティー番組に関しては「常に、出演者同士の信頼関係と、制作スタッフの皆さまによる細やかな配慮があり、その積み重ねによって視聴者の皆さまに楽しんでいただける番組が作られているものと考えております」と説明。あのに対しては「今後ますますご活躍されることを心より願っております」と配慮も見せた。
また、テレ朝サイドとは鈴木本人同席のもと直接の話し合いの場が持たれ、丁寧な説明を受けたことも報告し、「深い信頼を寄せている放送局でございます。弊社といたしましても、今後もより良い番組作りにご一緒させていただければ幸いです」とした。
他方、あのの所属事務所も同日に公式サイトを更新し、「一連の事態に関するお詫び」を掲載。
「この度、弊社所属あのが出演する番組に関する一連の事態によりお騒がせし、その結果としてお名前の挙がっているタレント様、およびその関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、所属事務所として心よりお詫び申し上げます」としたうえで、「関係者の皆様、ファンの皆様にはご心配をおかけしましたが、今後とも変わらぬご支援をいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」としている。
そして、同月28日には同局が6月15日の放送を最後に同番組の終了を発表。
同月29日放送のTBS系「それSnow Manにやらせて下さい」で渦中の2人の共演シーンも放送されたが、とくに騒動の影響を感じさせる絡みはなく、「番組は騒動以前に収録されたのではないか?」と見る向きもある。
結果的にあのは番組内での発言により自ら降板の意思を示したとはいえ冠番組を失い、世間から批判を浴びることになったわけだが、他のバラエティー番組を手掛ける放送作家はこう語る。
「前提として、鈴木さんの名前にピー音も入れずにオンエアした番組サイドの責任は重いと思います。あのちゃんが言うように以前から“番組の演出を巡ってゲストに負担をかけるような企画や暴露系の企画などを止めるように制作陣に何度も意見してきたものの、まったく改善されてこなかった”というのが事実であれば、なおさらです。ただ、だからと言って“すべて番組サイドが悪い”とも言い切れない部分はありますよね。単発のゲスト出演ならいざ知らず、冠番組のメイン出演者としてそうした状況下でも番組にレギュラー出演し続けている以上は発言には細心の注意を払う必要がありますし、あのちゃんのマネージメントサイドに関しても十分なケアが必要だったとは思います」
あのちゃんの騒動の少し前には中山の“イジメ告発”騒動が世間の物議を醸したのは記憶に新しいところだ。中山は、自身の発言に端を発した騒動により「サバンナ」の高橋茂雄がイメージキャラクターを務める商品のCM出演が見合わせになるなど騒動が拡大する中、5月12日にXに長文を投稿。
自らの発言の「いじめられていた」という表現は不適切なもので撤回するとともに改めて謝罪することを改めて表明した。
中山はこの投稿の中で「『いじめられていた』という表現は完全に不適切でした」とし、「『嫌いな芸人』正式には『昔嫌いだった芸人』と言うべきでした」と釈明したが、結果的にあのちゃんの騒動では“嫌い”な芸能人を名指ししたことで大炎上に繋がっている。
確かに、中山の騒動に関しては「いじめ」というパワーワードを口にしたことが事態を深刻化した観は否めない。
そもそも、芸人がテレビやラジオの番組などでのいわゆる暴露話やぶっちゃけトークで嫌いな同業者の名前を挙げるのは昔からよくあることで「いじめ」という表現さえ使わなければここまでの騒動には発展しなかったという見方もある。
「そもそも、芸人は本当に嫌っている同業者に関してはそういう場でも名前すら出しませんからね。たとえ気が合わなくても芸人同士としての信頼関係がある程度あったり、きちんと笑いに昇華できたり、事前にこの手の話題で名前を出すことを了承してもらっていたり、直接連絡ができて後からフォローがきく相手でなければ、まず名前は出しません。加えて、芸人の中には“話題にされてなんぼ”とばかりに、たとえ自分に対するネガティブな発言であっても、その内容よりも人気番組などで名前を出してくれたこと自体を感謝する人もいるくらいですからね」(前出の放送作家)
もっとも、こうしたある種の共通認識はあくまで芸人同士の間で成立し得るもので、俳優やアーティスト、タレントに関してはその枠組には入らないという。
「鈴木さんは当初SNSで『そんな当たり屋みたいな事されて それ勝手に放送されて そういうのって面白いの?』や『共演してない時に言うとか意味わからんし、それそのまま放送するスタッフも意味わからん』、『そういうのってほんまに信頼関係がある相手とのプロレスの時やと私は思う。普通にいじめやん』と訴えていましたが、“プロレス”や“いじめ”かどうかはさておき、“当たり屋”という表現に関してはまさに言い得て妙ですよね。自分が認知も関与もしていないところで、信頼関係もない相手からいきなりディスられたわけですからね。さすがに“バラティーノリ”としても受け入れることはできなかったのでしょう。まあ、あのちゃんにしてみれば芸人ではないものの、鈴木さんが長くバラエティー番組でも活躍していたこともあり、名前を出しても大丈夫かなといった多少の甘えはあったのかもしれませんけどね」(同放送作家)
くしくも時をほぼ同じくして芸能人による番組での発言が大きな炎上トラブルを招く格好となったが、当事者たちの責任は無視できない一方、昨今のバラエティー番組においては出演者の身を削るような暴露話やぶっちゃけトークへの依存傾向が強かったのもまた事実だろう。
そういう意味においては今回の2つの騒動が今後のバラエティーの現場に及ぼす影響はかなり大きそうだ。
(取材・文=三杉武)