嵐の“タブー”に切り込んだ!? 「女性セブン」の記事に違和感を覚えたワケ
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

遅ればせながら『地獄に堕ちるわよ』を観た。地上波では絶対できない数々のシーン。ネットフリックスおそるべし、だ。同じ時期、映画『Michael/マイケル』を鑑賞。絶頂期の場面で終わっているので、帰ってから『ネバーランドにさよならを』をネトフリで鑑賞、いろんな意味でおそるべし、だった。
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第796回(6/11〜6/16発売号より)
1位「嵐 いまだから明かされるタブー秘話 最後の日まで許されなかった『たった1つの質問』」(「女性セブン」6月25日号)
2位「大野智『堂本剛とジェシーと朝4時まで』涙と抱擁の宴撮」(「女性セブン」6月25日号)
3位「インタビュー加藤登紀子『すべては偶然に導かれ――運のいい歌手人生です』」(「週刊女性」6月30日号)
※「女性自身」は合併号休み
嵐のタブーに切り込んだと銘打つ「女性セブン」の謎
現在でも“タブー”はたくさんある。特に芸能界やマスコミには。そんなタブーに、しかも解散で社会現象を巻き起こした旧ジャニーズの国民的アイドルグループ・嵐のタブーに「女性セブン」が切り込んだ。タイトルにも堂々「タブー秘話」と打っている。社会に数多く隠されたタブーに切り込むことは、メディアにとって重要であり責務でもある。知る権利のためにも大いに結構なことだ。
では「セブン」は今回、嵐のどんなタブーに切り込んだのか。記事にはこうある。
「その間(嵐が活動休止を発表した2019年1月から2020年末に活動を休止するまで)、嵐の5人は活動休止にかかわるあらゆる質問を受け止め、ファンに語りかけ続けました。ただ、5人が揃った場では最後まで許されなかった問いかけがあります。それは“けんかはなかったのか”という質問です」(芸能関係者のコメント)
メンバー間の“けんか”こそ触れてはいけないタブーだった。そして「セブン」は2019年11月に二宮和也が結婚を発表したことで、松本潤や大野智との間で不仲説が浮上したこと、にもかかわらず「5人が揃った公式の場では、グループ内の軋轢については徹底的に避けられてきた」と指摘するのだ。
さらに、このタブーはマスコミが作り出したものだとして、テレビ局関係者のこんなコメントを紹介している。
「5人の作る雰囲気が1つのブランドでもあるため、徹底して守らなければいけないという“忖度”もあったのでしょう」
解散した嵐にまつわるマスコミタブーにまで切り込んだ「セブン」。立派な“タブーに挑戦”((C)『噂の真相』)である。これが本当だったら、だが――。
違ったんだよね。「セブン」記事を読んで、すぐに違和感を覚えた。“けんか”についての質問ってあったよね。調べたらやっぱりあった。しかも2019年1月27日に行われた嵐メンバー全員が揃った活動休止会見という公の場で。
多くのメディアがこれを報じているが、その全文を掲載している『AERA DIGITAL』(2019年1月27日)には活動休止に関してこんなやりとりがあったことが記されている。
「――ケンカや言い合いになったりということは。
松本(潤):ないです。そういうの書きたそうですね(笑)
二宮(和也):ケンカしてたって。書くんだから、もう(笑)
相葉(雅紀):ウソでもしておけばよかったな〜。」
さらに会見では相葉が出したメッセージに「僕たちは仲が悪いわけではない」とあえて書いていることが気になる、との記者からのツッコミまであった。
うーん、どういうことでしょうか。調べれば、すぐわかるようなことなのに。これまで数々のスクープを放ち、芸能界との関係も深い『セブン』だからこそ、なにか裏の思惑があるのか? それとも?? 真相が知りたい。
大野智の微笑ましい姿を「女性セブン」がスクープ
そんな「女性セブン」だが、こちらの記事はすごかった。東京ドームの嵐ラストライブ後の6月上旬。繁華街で行われた大野智の“激励会”の一部始終を「セブン」がレポートしている。
その様子は詳細だ。参加したのは堂本剛、ジェシーを筆頭に関係者たちだ。一軒目はバーを貸切り、二次会は午前4時近くまで続いたようだが、二軒目に向かう車中で大野はご機嫌だった。
「車の中でも音楽に合わせて頭を振り回し、始終ノリノリ。車から降りると突然、路上でダンスを披露し、一心不乱で踊る姿をジェシーさんが笑顔で見守っていました」(芸能関係者のコメント)
それだけではない。上機嫌で道行く人に「こんにちは〜!」と声をかける大野。その両脇を堂本とジェシーが抱えて支えるように歩く姿も、写真にバッチリ収められている。ジェシーが大野の肩を抱き、じゃれ合う姿もだ。
ラストライブの重圧から放たれた大野と先輩・堂本、後輩・ジェシーとの微笑ましい姿だ。しかし、この記事についてネットなどでは“ストーカー”“盗撮”なんていう批判の声も。
いやいや、それは違うでしょ。ラストライブでも証明されたのが嵐の絶大なる人気と影響力、そして巨額の経済効果だ。そんな国民的アイドル・嵐について、さまざまに報道するのはジャーナリズムとしては当然だし、芸能マスコミとしても“してやったり”のスクープだ。一次会から堂本が帰路についた午前4時の二次会まで張り込み続けた「セブン」。やはり芸能マスコミは、こうでなくっちゃね。
加藤登紀子、錚々たる面々とのすごいエピソード
「週刊女性」に掲載された加藤登紀子のインタビューが面白い。加藤の“偶然”の出会いの数々。加藤のコンサート会場にお忍びで訪れた河島英五に気づいた観客の「英五がいるぞ!」の声でステージに上がり「酒と泪と男と女」を引き語りで歌った河島。これが2人の初の出会いだというからすごい。
さらにオノ・ヨーコ。ジョン・レノンが殺された翌年、中国でのコンサートを控えた加藤は不安な胸の内を面識のないヨーコに手紙にしたためた。当時1日で部屋がいっぱいになるくらい世界中から手紙がきていたというヨーコだが、「なぜかあなたの手紙が私の目の前にあって、奇跡的に読んだ」という。そしてニューヨークでの初対面――。
他にも中島みゆきや中森明菜、宮崎駿との邂逅も語られる。“すべては偶然”“運”と語る加藤だが、それは加藤だからこその“当然”だと思う。
今年4月に発売されたエッセイ集『「ま・さ・か」の学校』(時事通信社)の宣伝インタビューだが、この自伝エッセイ集を是非読みたいと思った。
