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「通い続ければいつか結婚できるかな」――風俗嬢に“ガチ恋”して10年以上指名を続ける41歳男性の結婚観

「通い続ければいつか結婚できるかな」――風俗嬢に“ガチ恋”して10年以上指名を続ける41歳男性の結婚観の画像1
旅行会社で働く野村亮二(仮名・41歳)は、10年以上にわたり同じ風俗嬢を指名し続け、結婚を考えている。(写真:Getty Imagesより/写真はイメージです)

「結婚したいのに結婚できない」――。そう考える男性は少なくない。

 別に女性を蔑視しているわけでもない。性格がめちゃくちゃ悪いわけでも、見た目が極端に悪いわけでもない。それでも、“普通の人生”を歩めないのはなぜなのか?

 この疑問を抱える中年男性たちに、自らの半生を振り返ってもらい、「なぜうまくいかないのか」を自己分析してもらった。

 俺がおかしいのか? それとも、社会がおかしいのか? 弱者男性たちのリアルな婚活事情に迫る。

「孤独死は嫌だから若いパートナーを」

おじアタックは成功しても別れやすい

「40代を過ぎてから急に『結婚しなければ』と焦り出す独身男性は多いですよね。それで、同世代の女性を狙えばいいのですが、『30代後半だと出産できない』とか選り好みしだすと、相手を見つけるのは非常に難しくなります」

 そう語るのは、恋愛・婚活アドバイザーの菊乃さん。

「一番うまくいかないのが、20代を狙った『おじアタック』です。あわよくば付き合えたとしても、結局若い男性に略奪されたり、数カ月で別れたりすることが多い印象です」

 例えば10歳の年齢差があれば、小学1年生のときに高校生ということになる。同性の上司と部下という関係でもジェネレーションギャップが生じ、会話に困るものだが、20歳も下となると、もはや世代が違う。

 当然だが、話がかみ合わないため、それなら同年代に焦点を絞ったほうがいい。しかし、長年同じ女性にアプローチをかけ続けているものの、うまくいかず、婚期を逃し続けている男性がいる。

 東京都出身の野村亮二(仮名・41歳)は、くたびれた風貌のサラリーマンだ。髪の毛は加齢とともに薄くなってきており、失礼ながらなかば結婚をあきらめているかのような風貌である。せっかく顔は男前なのだが、身だしなみに気を遣っている形跡がない。

「小学生の頃は百科事典をずっと眺めているような子どもでした。新しいことを知るのが好きで、スポーツよりも勉強のほうが好きなタイプ。ひとりっ子だったので、欲しいものはすべて買ってもらえました」

 決して「陰キャ」というわけでもなく、小学生の頃は明るく、クラスのムードメーカー的な役割だったそうだ。

「中学に入ると、部活は卓球部に入りました。親に連れて行ってもらった温泉旅館にあった卓球台で遊んでいたのが楽しくて、『卓球部に入れば毎日できるぞ』とワクワクして入部したんです。でも、いざ入ってみると練習は結構ハードで……。すぐに辞めたくなりました」

 おまけに、部活内のヒエラルキーもそこで痛感することになる。

「モテる部活といえば、野球部やサッカー部ですよね。でも、卓球部は日の目を全く浴びない部活。だから、僕も中学時代はまったくモテませんでした」

 高校に入っても、モテない日々が続いた。それでも学生生活は満喫できという。

「高校に入って、ようやくやりたいことがわかってきました。子どもの頃からたくさん旅行に連れて行ってもらっていましたが、親が撮ってくれた写真を見返すのが好きだったんです。そこで、高校に入ったのを機にいろいろな場所に行きたいと思い、部員や先生とちょっとした旅行に行ける写真部に入りました」

 カメラで撮影するだけでなく、撮った写真を暗室で現像する作業も性に合っていた。

「このときの体験は何にも代えがたいものです。当時、親に買ってもらったカメラは、今でもメンテナンスをして使っています」

プレイ中に風俗嬢にプロポーズ

 高校卒業後、勉強だけはしっかりできた野村さんは大学受験をし、ストレートで進学。サークルは旅行部に入った。

「僕が入った旅行部は、チャラチャラした旅行サークルとは違って硬派な雰囲気でした。文化遺産を巡ったり、長期休暇には海外旅行に行き、そこで得た知見を資料にまとめて発表していました。かなり真剣に活動するサークルだったので、女性部員も少なく、彼女はできませんでした」

 そんな野村さんが初めて女性経験をしたのは、とある繁華街にある風俗店だった。

「ちょっとした出来心でソープランドに行ってみたんです。そこで『これはすごいぞ、なんだこの世界は』と感動してしまったのです。というのも、それまで一度も女性に優しくしてもらったことがなかったので……。あまりの感動に、旅行部の男だけの飲み会で酔った勢いで話したところ、聞いていた部員たちも興奮し、そのままみんなで行くことになりました」

 悪い遊びを覚えてしまったが、真面目な野村さんは勉強をおろそかにしなかった。そして、大学卒業後は出版社に就職した。

「本当は編集部に行って旅行雑誌を作りたかったのですが、営業部に配属されてしまいました。企画を考えて実際に現場に行きたかったのですが、なかなか人生は思うようにはいきません。ただ、給料はそこそこもらえたので、そのお金でさまざまな風俗店に通うようになりました」

 学生時代に味わった快感が忘れられなかったようだ。こうして恋愛や結婚と無縁な生活をしてきた野村さんだったが、初めて結婚したいと考える女性ができた。

「とあるヘルス店で、一緒にいてすごく落ち着く女性と出会えました。同い年くらいで、プレイをせずにずっと話していたいような子です。気づくと毎週指名で会いに行くようになり、話をしているだけで仕事のストレスが吹き飛ぶようでした」

 野村さんは初めて「この子と一緒になりたい」と思った。しかし、相手は風俗嬢。野村さんの恋はなかなか実ることはなかった。

「30歳くらいのとき、プロポーズのようなことをしてみたんです。すると彼女から『落ち着いたらね』と言われました。脈なしというわけではないと思い、『このまま通い続けたら、いつか結婚できるのかな』と考えるようになりました。その後も旅行に行ったときのお土産を持っていくなど、いつもその子のことを考えている状態でした。『これが恋なのかな』と本気で思いました」

 また、同時期に旅行会社に転職。「企画を考える」という一生続けたいと思える仕事にも出会えた。

「あとは彼女と結婚して、腰を据えたい……。そう考えていたんです」

風俗嬢とは簡単に結婚できない

 しかし、客と店員という関係は縮まらなかった。

「何年もあの子のところに通っていたのですが、『何にもならないな』と思うようになり、だんだん冷めてしまいました。そこで別の癒やしを求めて、またいろいろな風俗店を回る生活に戻ってしまったんです」

 それまで毎週通っていたのに、3カ月も彼女の店に行かない日が続いた。しかし、ほかの風俗店に行っても心は満たされない……。「なぜだろう」と考えた結果、やはり彼女のことが一番好きだと気づいた。

「久しぶりに彼女に会いに行きました。すると『突然来なくなったから心配していたんだよ』と言われました。そのとき、罪悪感のようなものがあふれてきて、『浮気してごめん』と謝りました。彼女は少し複雑そうな表情をしていましたが、許してくれました」

 なお、念のため補足すると、そもそも件の風俗嬢とは交際関係にはない。

 そんな野村さんも40代に差し掛かり、結婚するのであれば、そろそろ真剣な出会いを探さなければならない時期だ。

 さらに、ひとりっ子であるため、子どもを持たなければならないという焦りもある。

「同居している親からはかなり心配されていて、『いつになったら結婚するの?』と口を酸っぱくして言われています。親に勧められて結婚相談所にも登録しましたが、なかなか乗り気になれません。やはり、あの子のことが好きというか……。今でも店に通っていて、ときどき『そろそろ結婚しよう』と切り出すのですが、なかなか返事をもらえません」

 結局、彼女が働いていた店は閉店し、彼女はデリバリーヘルスへ移った。それでも野村さんは、移籍先でも同じ女性を指名し続けている。結婚はいまだ叶っていない。

 前出の菊乃さんは、野村さんのように結婚願望はあるものの結婚できない40代男性について、こう指摘する。

「彼らには身だしなみへの意識の欠如があります。臭いがきつかったりとか……。婚活している方に『どうすれば結婚できると思いますか?』と聞くと、『いろいろな人に会っていけば両思いになれる人が見つかる』と答える人が多いのですが、そうではありません。まずは身だしなみを整え、打率を上げるという発想が大切です。そもそも、なぜ同じ風俗嬢を指名し続ければ結婚できると考えるのでしょうか……」

 それでも、結婚のために年下ばかりを狙うのではなく、同世代の女性にアプローチし続ける姿勢は評価できる。野村さんが意中の人と幸せな家庭を築けることを願うばかりだ。

婚活アドバイザー菊乃さんのオフィシャルブログ
https://ameblo.jp/koakuma-mt/

「36歳の彼女は少し年を取りすぎている」

(取材・文=山崎尚哉)

山崎尚哉

1992年3月生まれ、神奈川県鎌倉市出身。レビュー、取材、インタビュー記事などを執筆するほか、南阿佐ヶ谷でTALKING BOXという配信スタジオを運営中。テクノユニット・人生逆噴射の作曲担当で別名DJ.YMZK。

X:@yamazaki_naoya

山崎尚哉
最終更新:2026/04/18 18:00