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沖田臥竜の直言一撃!

尼崎から世界へーー映画『木漏れ陽』誕生に関わった人々が貫いた「覚悟」と「矜持」

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尼崎から世界へーー映画『木漏れ陽』誕生に関わった人々が貫いた「覚悟」と「矜持」の画像1
先日公開された『木漏れ陽』のディザービジュアル(左)と、『木漏れ陽』での著者(右)

 まだ言えないことが多すぎて、すまんすまんである。だけど第0報となる情報解禁で、すでに名前がクレジットされているので、言わせてもらって良いだろうか。

 二宮和也さん主演の映画『浅田家!』の主人公のモデルとなった写真家の浅田政志さん。浅田さんは、わたしが原作・脚本・監修を務めた映画『木漏れ陽』(2027年以降に全国公開予定)に、ティザービジュアル担当として携わってくれている。

 ググってみればよい。浅田さんの偉大さがすぐにわかるはずだ。なかなかいないだろう。まだ47歳で、もちろんバリバリ健在で、映画のモデルになる人物なんてそうそういない。

 またまたジョニー(映画『ヤクザと家族 The Family』』、ドラマ『ムショぼけ』、ドラマ『インフォーマ』シリーズなどのプロデューサー)の話ですまないが、ジョニーとドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』のロケハンのためにバンコクに向かっている時の事だった。約6時間半かけて、微笑みの国タイに降り立った私たちだったが、降り立つと必然的に、フライト中は何をやっていたかという話題になる。エコノミー……すまない。ビジネスクラスの私からすると、うっかり格差をつけてしまったようだ。申し訳ない。そう、エコノミーでフライトしていたジョニーからであった。

「ニノさん主演の浅田家みましたか? むちゃくちゃ面白かったですよ〜」

 フライトすれば5分経たず、ストンと落ちたように眠りにつくジョニーにしては珍しいことであった。 ただ、ジョニーが映画『浅田家!』を観たかと私に聞いてきたのには理由があった。 二宮さんのお芝居を改めて観させてもらおうと、プロデューサーなりに考えてのことだった。

 それは二宮さんが、この後に撮影を控えていたドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』の日本パートにて、高野龍之介役で出演してくれるからであった。

 振り返ってみてもすごいことだと思う。ドラマ『インフォーマ』シリーズでは、河村愛之助役を、絶賛話題沸騰中の映画『汝、星のごとく』(監督・藤井道人)で、主演を務めた横浜流星さんが演じてくれ、高野龍之介は二宮さんが演じてくれたのである。

 どちらの登場人物も私には思い入れがあった。『インフォーマ』の小説版では、横浜さん演じる愛之助と二宮さん演じる龍之介を生き別れた双子の兄弟にしている。

 ふと思う。私の描く物語の登場人物を、テレビや映画で活躍する大物俳優たちが演じてくれるのである。作品作りにおいて、これほど喜ばしいことはない。特に映像制作においては裏方となる私にとっては、俳優部の人たちのキャスティングがハマっていく瞬間に、いつも歓喜するのである。愛之助、龍之介のキャスティングともに、わたしが原作・監修を務めた映画『木漏れ陽』でも企画・プロデュースしてくれている映画監督の藤井道人監督がしてくれたものであった。

SNSの喧騒を撃ち抜く、物語の熱量

 私はジョニーに答えた。

「オレも浅田家を観ようとしたけど、日本語にできへんかったから観られへんかったぞ」

 観ようとしていたのだ。だが日本語に変換ができなかったのである。それを聞いたジョニーは、早速、嫌なヤツぶりを発揮してきた。 私だけビジネスで、自分がエコノミーだったから、ここぞとばかりにとでも思ったのだろう。

「へ〜そうなんすね〜。簡単にできましたけどね〜」

 勝ち誇ったように言うジョニーを見ながら、私は拳を握りしめたのであった。

 そして帰国後に、しっかりと映画『浅田家!』を観ている。この作品がとてつもなく面白いことは、マンガ『ザ・ファブル』の南勝久さんからも教えてもらっていた。南さんは感動し過ぎて、浅田政志さんの写真集を買ったほどである。それくらい浅田さんが撮る写真は、人を惹きつける魅力があるのだ。

 後に映画『木漏れ陽』の現場で浅田さんとお会いした際、南さんの話を伝えると凄く喜ばれていた。その喜んでいる姿を見て、私も嬉しくなったのである。作品づくりとは、そういうことではないだろうか。人の喜んでいる姿を見て、自然と自分も嬉しくなれる。その感情こそが、大切ではないかと思う。

 今のネット民を始めとした世論を見渡してみろ。Xでもよい。無料ツールなので本当、嫌々やっているInstagramだって良い。大抵が承認欲求の塊で支配されていないか。うんざりすることがある。そんなネット民を見てると辟易することがある。それにクロスカウンターを撃ってやろうと考えて、作品の中に取り入れたのが『ムショぼけ』であった。 そして時を経て、今度はテレビドラマから映画へと私の中で昇華させた作品こそが、映画『木漏れ陽』なのである。

『木漏れ陽』に集う最高の裏方と役者たち

 映画『木漏れ陽』にも作品を支える最高の裏方が結集してくれているのだが、俳優陣も最高な人たちが勢揃いしてくれている。

 そのキャスティングを請け負ってくれたのが、映画『木漏れ陽』のプロデューサーである高柳亮博さんであった。もともと高柳さんは俳優部であった。そこから裏方も手伝うようになり、プロデューサーやキャスティングを手掛けるようになったので、高柳さんのキャスティング力は凄まじいのだ。

 家を一軒建てようと思えば、大工さんであったり内装屋さんであったり、さまざまな業種の人たちが関わるように、作品作りもそうである。それぞれの部署があり、みんなが良い物語を作ろうとするからこそ、完成するのだ。そこに甲乙はない。1人1人がチームなのである。

 監督を務める澤口明宏監督は、『木漏れ陽』が初の長編映画となる。それだけに熱量も凄まじい。脚本だって最後の最後まで粘ってくれるのだ。

 そういう姿を見ても、私は嬉しくなるのである。少しでも良い作品を作ろうと真剣になっている人の姿は誰しも、美しいものである。

 そうした背景は、世に出ることのない姿かもしれない。私はそれで良いと思っている。 なぜならばそれこそが、我々、裏方の役目だからだ。

 表で輝く俳優部の人たちだってそうだ。裏では、お芝居の稽古を何度も何度もしてくれるのだ。オーディションから勝ち上がってくれた人たちは、本人だけでなく、その人の周囲の人たちも喜んでくれることになる。

 私はそういう姿を脳裏で想像することが、大好きなのだ。

 そうした想像を一つ一つ組み合わせながら、物語を生み出していくのである。

 生み出すという作業は、いつも思うが大変な作業だ。それは当然である。自分の想像や経験、それに創作によって、人の心を揺さぶりにかかるのだ。

「楽しく描けた」と口にする裏側では、いつも不安や葛藤だって抱えている。

 作品を作るということは、1人でできる作業ではない。全体のことを考えて、つまらないこだわりを捨て、妥協だってしなくてはならない。

 その過程の中で、それぞれでせめぎ合い、磨き合いながらたどり着く先にこそ、完成があるのだ。

 映像化が決まったとき、クランクイン前日、情報解禁、配信、放送、放映。私はその一つひとつにいつもわくわくすることができる。

 映画『木漏れ陽』の第0報となる情報解禁だって、そう。ぎりぎりまでプロデューサーの高柳さんと、どうすれば、より注目を集めることができるか。 何度も何度も打ち合わせを繰り返した。そして月曜の朝に各メディアにリリース表を巻き、情報解禁は正午としたのである。

小説家の枠を抜け、泥臭く作品を生み出す覚悟

 私は作家や小説家といった型にハマるようなことはしない。作品づくりに関わった以上、やれることはすべてやる。ここで朽ち果ててもこの物語だけは完成させてみせる、という気概を持ってやり遂げている。

 私にとって、小説にドラマ、それにマンガ化とメディアミックスをかけた『ムショぼけ』という作品は、私自身の名刺になったと思う。代表作は言うまでもなく『インフォーマ』シリーズだろう。

 そして迎えた『木漏れ陽』である。今、はっきりと言えることは、前半パートの仮編集の確認作業をし終えたとき、「これはいける」という手ごたえを持つことができた。

 自分の感性を信じて、物語を作ってきているのだ。作り手側がこの感覚を持てなければ、まぐれで売れた…なんてことは断言するが皆無である。

 兵庫県尼崎市から始まる物語である。私で言えば、『ムショぼけ』に続いて、2作目ということになる。

 尼崎という街を、ロケ地に選んでくれたのは、『ムショぼけ』『木漏れ陽』2作品とも企画・プロデュースの藤井道人監督だった。

 偶然なんてものはなく、一つひとつの出来事に想いがある。それは人生においてもそうだろう。

 主人公の小泉拓朗は、一生懸命に生きている。出遅れた分、遠回りしてきた分、必死に汗を流して生きている。 その姿をみてやってほしい。便利になったこの時代に薄れつつある、がむしゃらさがきっと『木漏れ陽』には、詰め込まれているはずだ。
 なんだかんだとジョニーとは、いろいろな所へと2人でロケハンへと行ってきた。

 それは尼崎から始まり、バンコク、台湾、アメリカにメキシコだって行ってきた。

 映画『木漏れ陽』のクランクイン当日、東京からジョニーは、スタッフ、キャストの差し入れを携えて、兵庫県の撮影現場まで、来てくれたのだった。

(文=沖田臥竜/作家・小説家・クリエイター)

絶対に泣ける小説はこうしてできた
『地獄に堕ちるわよ』の撮影現場で書かれた小説

沖田臥竜

作家・小説家・クリエイター・ドラマ『インフォーマ』シリーズの原作・監修者。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』シリーズ(サイゾー文芸部)がドラマ化もされ話題に。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

X:@pinlkiai

最終更新:2026/10/26 18:00