なぜ、堺雅人が…今年の『紅白』司会に業界内からも驚きの声が出る業界的裏事情

NHKは10月9日、大みそかに放送される『第77回NHK紅白歌合戦』の司会を俳優の芦田愛菜、堺雅人、二宮和也、そして同局の鈴木奈穂子アナが務めることを発表した。
芦田、堺は初の『紅白』司会、二宮は「嵐」のメンバーだった2017年以来9年ぶりとなる。なお、今年の『紅白』のテーマは「こえていこう、歌とともに。」。国内でさまざまな災害が続き不安が広がる中、「そんな今だからこそ歌とともにみんなで乗りこえ未来への希望を見いだしたい」という思いが込められているという。
『紅白』の司会といえば、かつては「総合司会」「紅組司会」「白組司会」と区分けされていたが、21年から「司会」に統一されて、昨年は3年連続となったタレント・有吉弘行、綾瀬はるかと今田美桜、鈴木アナの4人が「司会」を務めた。
そうした中、今年は鈴木アナが3年連続となる一方、芦田と堺、二宮の3人が新たに番組を盛り上げることになるが――スポーツ紙の芸能担当記者は語る。
「二宮さんに関しては『嵐』時代に出場歌手のメンバーとして『紅白』には多大な貢献をしており、すでに司会も経験済み。加えて、今年8月15日にNHKで放送された夏の音楽特番『NHK夏の音楽祭 うたであえたら 2026』で司会を務めていたこともあり、『紅白』の司会に関しても有力視されていました。また、芦田さんも今年3月に放送された同局のドラマ『片想い』で主演を務めたりとNHKとは関係性がありますし、『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)などの番組でMCも経験しています。それに何よりも老若男女に愛されるノースキャンダルの好感度俳優ということで、このタイミングでの『紅白』司会起用にも、さしたる驚きはないですよね」
その一方で、業界内からも驚きの声が上がっているのが堺の司会起用だという。言うまでもなく堺といえば、現在TBS系で放送中の人気ドラマ『VIVANT』で活躍中。今回ともに『紅白』の司会を務める二宮とは作中で兄弟役を演じていることも話題となっている。
そうした中、同じく『VIVANT』に出演し、来年放送予定のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』で主演を務める松坂桃李の審査員起用にも、一部からは期待の声が上がっている状況だ。
そもそも、堺は今を時めく人気俳優というだけでなく、16年放送のNHK大河ドラマ『真田丸』で主演を務めているほか、00年放送の連続テレビ小説『オードリー』や04年放送の大河ドラマ『新選組!』、08年放送の大河ドラマ『篤姫』など、これまでNHKの作品でも存在感を放っている。
こうした背景もあり、たとえMC経験は乏しくとも『紅白』の司会に起用されても不思議ではなさそうだが、レコード会社のスタッフはこう話す。
「大ヒットドラマ『VIVANT』効果を加味しても話題性という点において、堺さんの『紅白』司会起用はNHKとしては最良の一手でしょう。ただ、堺さんといえば、22年末に老舗の大手芸能プロ『田辺エージェンシー』から独立していますからね。これが業界内からは驚きの声も出ている理由のひとつです」
堺に古巣の「田辺エージェンシー」からの独立話が浮上した際には世間の耳目を集めた。同事務所を率いる田邊昭知氏といえば芸能界の実力者として知られており、当時「週刊新潮」(新潮社)の取材を受けた田邊氏が堺の独立について「理由はわかんない」や「もう一緒に仕事なんてできないよ」などと語ったことから、一部では両者の確執も取り沙汰されたものだ。
もっとも、同事務所からの独立後も堺は23年7月期放送の前作『VIVANT』で主演を務めたほか、映画やCMに出演するなど現在に至るまで変わらぬ活躍を見せているわけだが……。
「一部では『独立した堺は干されるのでは?』なんて声もありました。しかし、さすがに今のご時世、いくら芸能界の実力者や大手芸能事務所でも辞めたタレントの活動を妨害したり、圧力をかけたりなんかはしませんよ。とはいえ、『ザ・スパイダース』の元メンバーで音楽畑出身の芸能界の実力者である田邊さんは、かねてから『紅白』にも強い影響力を持つともっぱらですからね。古くから芸能や音楽をなりわいにする人間からすると、今回NHKが堺さんに『紅白』の司会をオファーしたこと自体が驚きです。もっとも、田邊さんも堺さんの『紅白』司会に関しては了承しているんでしょうし、独立後も両者の間にしこりがないことの表れなのかもしれませんけどね」(前出・レコード会社スタッフ)
くしくも、堺と共に今年の「紅白」の司会を務める二宮も、23年10月に、長年にわたって多くの所属アーティストを出場させて同番組を彩ってきた旧ジャニーズ事務所からの独立を果たしている。人気芸能人の独立のニュースが絶えない昨今だが、そういう意味では、今年の「紅白」の司会はまさに時代を象徴した人選といえるかもしれない。
(取材・文=三杉武)