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ヤクルトスワローズ・青木宣親氏、突然“GM補佐”就任の難しさ

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青木宣親(写真:Getty Imagesより)

 今シーズンまでヤクルトで現役生活を送り引退した青木宣親氏が、来年1月1日より球団のジェネラルマネージャー特別補佐に就任することが12月18日に発表された。

 2度のシーズン200本安打達成もさることながら、日米通算2730安打は“レジェンド”の一言だろう。球団は早くから青木が引退した後のセカンドキャリアについて幹部たちが熟考していた。

「最短キャリアとしては、来シーズンから1軍監督就任というプランでしたが本人が固辞したと言われています。指導者経験もなく名選手がそのまま監督を務めた例は過去にもありますが、近年は立浪和義中日前監督のように成績が出ずに低迷すれば酷いバッシングにさらされてしまう。場合によってはキャリアそのものに傷がついてしまい、監督再登板もかなわなくなる。慎重を期すためにまずは編成に配属して、指導者以外の仕事を勉強させようという狙いがあると思います」(ヤクルト球団OB)

 しかしながら弁が立つ青木氏を表にあまり出てこない編成職に据えているのは“もったいない”との声が出ているのも事実だ。

「野球教室など、技術的指導もいいが、子どもたちに野球を知ってもらうプロモーション活動に最適な人物です。話もうまいのでテレビ、ラジオの解説にも興味を持っており、なんなら冠番組だってこなせるほど。早稲田大学出身、メジャーリーグで6年も生活していた経験は大きく“球団の伝道師”として活動して欲しいと願う上層部も少なくはない」(同前)

 小川淳司GMは近い将来青木氏をGM後任候補として推したい意向を示しているが、こちらも難儀しそうだ。

「高津臣吾監督の次を担う1軍監督の人材が居ないからです。本当なら池山隆寛2軍監督にバトンタッチをすれば良いが、球団上層部の評価は今ひとつ良くない。来シーズンから1軍ヘッドコーチになる嶋基宏氏も、外様のため高津監督が退任すれば一緒にチームを去る公算が大きい。となれば“青木氏一択”となってしまう。そうすると今度は青木氏が指導者として勉強する時間があまりに短すぎる。どう道筋をつけるのか球団内でも意見が相当割れています」(球団関係者)

 巨人、阪神のように1軍監督は強力な「生え抜き主義」であるが、ヤクルトはあまり固執していない。ただ、燕のレジェンドの経歴に傷がつく人事をすれば一大事になりかねない。ひとまずGM補佐就任でしばらくは様子見することになったとて、一寸先は闇とは言いすぎだろうか……。

(取材・文=CYZO sports)

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最終更新:2024/12/27 22:00