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高市政権の空洞と暴走する政治――元木昌彦のスクープ週刊誌

 お次はポストから。

 政府が物価高騰対策として地方自治体に配分している「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」。これまでも3年間にわたって交付され、総額は6・5兆円にも上る。

 本来の目的は、エネルギー価格や食料品価格の高騰、子育てに苦しむ生活者や事業者を直接支援することにあるが、ポストの取材で、この膨大な予算が地方自治体の「デタラメ」とも言える事業へ流用されている実態が明らかになったというのである。

 花火大会の開催、ワインサミット、プロ野球観戦招待、地元鉄道の赤字補填などという、物価高対策とは思えない事業に湯水のように注ぎ込まれているそうだ。

 JR福島駅の周辺では、福島県立美術館で開催されている「大ゴッホ展」一色だという。

 駅周辺にもポスターがベタベタ貼られているが、福島県はこの宣伝広告費に、交付金4890万円を使っているという。

 県民は、この展覧会に交付金が使われていることに首を傾げている。

 長野県諏訪市は「花火大会」に交付金300万円を使ったという。

 山梨県は「日本ワインサミット」開催に1318万円の交付金を使ったそうだ。

 こうした既存の事業に交付金を使う発想は、国の推奨メニューに「地域観光事業等に対する支援」という文言があるためのようだが、それにしてもな~。

 ハコモノにも交付金がジャブジャブ。

 新潟県のJR長岡駅から車で15分ほど走ると悠久山公園がある。そこのプールの電光表示板に交付金約1億4000万円を投じたそうだ。

 新潟県はさらに、子育て世代にプロ野球観戦のチケットを配っているという。

 北海道旭川市は、市民ふれあいセンターの照明設備をLEDにするために交付金を3440万円注ぎ込んでいた。

 岐阜県安八町は75歳以上の町民2602人に、町内17店舗で使える「喫茶店のモーニングサービス」が利用できるクーポン券に約188万円を投入。

 高知県土佐清水市では、交付金約1億9500万円を使って、市内限定の電子通貨を全市民に配ったそうである。

 しかし、70代男性は、「そもそも電子通貨もQRコードもよくわからず使えん。この街は高齢化が進んでいるのに、この取り組みは意味があるのか」とポストに語っている。

 なぜこのようなデタラメが横行しているのか。その理由は、政府による「チェック機能の欠如」である。

 地方創生臨時交付金から続くこの仕組みは、自治体の裁量が極めて大きく、使途の報告が事後であっても大半が承認される。

 内閣府の審査が形式化しているため、自治体側は「物価高の影響で〇〇の需要が増えた」という強引な理由付けさえすれば、実質的に何にでも使える「打ち出の小槌」と化しているのだ。

 お金さえ出せば文句はないだろうという、政府のやり方が諸悪の根源である。

 高市政権も同じような轍を踏むのだろう。

 ところで、高市首相の鶴のひと言で、皇室典範改正が7月末までには合意に達する可能性が出てきた。

 今回、皇室典範の改正の焦点になっているのは二つ。一つは「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」、二つ目は「旧宮家の男系男子を養子に迎える」というものである。

 2022年1月に、政府の有識者会議がまとめた報告書が国会に示され、24年5月から与野党協議で皇族数の確保についての議論が進められてきた。

 だが、自民党の麻生太郎と立憲民主党の野田佳彦との意見が食い違い、昨年4月を最後に開催されてこなかった。

 しかし、高市政権になって、圧倒的な数を背景に皇室典範の改正を明言して、4月15日、およそ1年ぶりとなる与野党協議(全体会議)が開かれたのだ。

「自民党内の議論をリードしてきた麻生太郎副総裁の側近である森英介元法相が2月、協議の“行司役”である衆院議長に就任。自民は7月中旬に迎える会期末までに皇室典範の改正にこぎ着けたい意向です」(全国紙デスク)

 拙速とも思える進め方だが、まだまだ問題は山積しているのである。

 2017年に衆参両院で行った「天皇の即位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議」では、政府は(安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等)について、速やかに検討し、国会に報告するよう求められている。

 ところが2021年の有識者会議の報告書では、本来論じるべき皇位継承問題が棚上げされてしまったのだ。

 この報告書を受けた与野党協議でも、皇族数の確保に限ってだけ議論されてきた。

 新潮によれば、こうした現状に、再開された与野党協議で早々に異を唱えたのは、立憲の長浜博行参院議員だったという。昨夏までは、参院副議長として“行事役”の一端を担ってきた長浜議員に、新潮が尋ねると、

「本来の 課題から切り離され、もっぱら皇室数確保についての方策を示すばかりで、本質的な議論が避けられている。そんな全体会議の状況について私は、はなはだ遺憾だと協議の場で述べました」

 また、

「総理大臣が皇室典範改正を声高に叫び、 選挙公約にも掲げる。『静謐な環境』での議論が大事だと言われているのに、それは静謐からは程遠い。数の力を持って“今ならやれる”とばかり、典範改正を進めようとしているのです。 立法府は内閣の奴隷ではありません。森衆院議長まで今国会中の改正案成立を口にしていますが、何をもって成立できると考えているのか、全く理解できません」

 「付帯決議」については、

「“養子”という文言はどこにも登場しません。最優先である安定的な皇位継承の確保のための方策こそ検討されなければならず、新たに有識者会議を立ち上げるのも一案でしょう。もちろん、時間を要すればそれだけ皇族方の人生設計にも影響を及ぼすことは承知しています。ただ、一見遠回りだが確実な手順こそが、結果的に最も早く目的を達成できるのだと思います」

 高市首相は自民党大会でも、旧宮家の男系男子養子案を優先的に進めるといったが、それに疑問を呈するのは、2021年の有識者会議でヒアリングを受けた笠原英彦慶應義塾大学名誉教授(日本政治史)だ。

「明治に制定された旧皇室典範でも、皇室が養子をとることを禁じています。容認すれば 、際限なく“血統の乱れ”に繋がっていきかねないという懸念のためです。それを現行の典範も引き継いでいるわけですから、この原則は、よほど明確な根拠がない限り、解禁すべきではないと思います 。

 そもそも 旧宮家の男系男子の中から、自らが養子入りして皇室を支えていくという方々がどのくらい出てくるのか。保守派の人たちは、男系男子が続くのであればそれでいいと考えているのでしょうが、制度設計を安易に捉えていると言わざるを得ません」

 保守的な新聞といわれる読売新聞も、4月16日付の社説で、

「80年間も民間人として生活してきた旧宮家の人を唐突に皇族に復帰させ、その後生まれた男子を天皇と想定することに、国民の理解が得られるのか」

 としている。

 肝心の皇位継承という重要な問題をスルーして、他の改正をしても、うまくいくはずはない。

 また高市首相のお話である。

 悪名は無名に勝る。人は清純な処女の話よりも年増の悪女の嘘っぱちを好む。

 これが高市首相に当てはまるといっているのではないが、初の女性首相というのは物珍しいもののようだ。

 それも、口が裂けるかと思うような形相で自分の主張だけをいい募る姿は、これまでの首相にはなかったものである。それが多くの国民を引き付けるのだろうか。

 その高市首相が“私の悲願”だといい切り、選挙公約にも掲げた「食品の消費税減税」だが、“笛吹けども踊らず”どころではないようだ。

 新潮によれば、消費税減税に向けて超党派で話し合う「国民会議(社会保障国民会議)」だが、2月26日に開かれた初会合では、「スピード感をもってやっていきたい」とあいさつはしたものの、15分ぐらいで会はお開きになってしまったという。

 今月初旬に新年度予算が成立したが、高市首相が率先して消費税減税を推進する姿は見られない。

 政治部デスクがいうには、消費減税を行うためには、国会で税制改正法案を提出した後、審議を経て可決される必要がある。

 それから逆算すると、秋に始まる臨時国会までに法案を閣議決定して提出しないと間に合わない。だが、現在、ほとんど議論は進んでないというのだ。

 国民会議には、高市首相が参加した「親会議」と、自民党の小野寺五典税調会長ら与野党の政治家が参加する「実務者会議」があるが、具体的な策についての話し合いは進んでいないようだ。

 実務者会議には実務者会議と有識者会議があって、議論の結果を高市首相のいる親会議に報告するのだが、有識者会議で政府は、「給付付き税額控除は対象者を絞った『簡易型』でも実現に3~4年はかかる」と説明しているというのだ。

 ジャーナリストの鈴木哲夫によれば、高市首相が消費税減税というカードを切るかどうかは、支持率がどうなるかにかかっているというのだ。

 このまま支持率が高止まりするのなら、可否は国民会議に任せる。つまり消費税減税はやらないという選択肢もあり得る。

 だが、一気に支持率が下がってくれば、支持率回復のために減税を実行するというのである。

 新潮はこう結ぶ。

「日本経済の行方を左右する消費税減税を“政争の具”として弄ぶようなら、さすがに高市氏も悪だくみが過ぎるとの誹りは免れまい」

 高市首相よ、あまり国民を舐めないほうがいい。

 京都府南丹市内の山林から遺体で見つかった安達結希くん(享年11)。

 犯人は、予想していた通りというと嫌ないい方だが、結希くんの母親と結婚した義理の父親、安達優季(37)だった。

 文春で逮捕されるまでの経緯を見ていこう。

「遺体が見つかったのは、結希くんが通う小学校から二キロ程離れた雑木林。仰向けの状態で倒れ、濃紺のフリースとベージュ色の長ズボンを着用。靴は両足とも履いていなかった。遺体は腐敗が進んでおり、死後、相当な時間が経過していることが分かっています」(社会部記者)

 それから3日後の4月16日未明。死体遺棄の疑いで京都府警に逮捕されたのは、結希くんの義父である安達優季容疑者だった。

「優季は警察の調べに対し『私がやったことに間違いありません』と全面的に容疑を認め、『一人でやった』という趣旨の供述を続けています」(同)

 しかし、この原稿を書いている時点で、なぜ結希くんを殺害したのか、何が義父の優季容疑者との間にあったのかなど、肝心の「動機」がわかってはいない。

 事件があった3月23日、朝食を一緒に食べた親族の証言で、朝までは結希くんの生存が確認されていたという。

 その後、義父が車で学校近くまで送った後、結希くんが“失踪”したというのだが、当初から優季容疑者には不審な点が多くあった。

 優季容疑者の車のドライブレコーダーの映像が、一部意図的に消されていた。

 警察が優季容疑者のスマホのデータを解析したところ、結希くんが行方不明になった当日、「死体を遺棄する方法」をネットで検索していた。

 数日後に、結希くんのバックが山中で発見され、その後も、そこから離れたところで靴が発見された。

 さらに奇怪なのは、優季容疑者は、いち早く結希くんの捜索を呼びかけるポスターを作り、自分で回って配っていたというのだ。

「あれは三月三十一日の昼頃のことでした。お客さんやと思って席に案内しようとしたら『客じゃないんです』って言われてさ」

 そう明かすのは南丹市内のとある焼肉店の店主だ。

「髪の毛が長くて眼鏡をかけたもっさりとした男が『この子知りませんか』と言ってビラを持ってきたのよ。無表情で名乗りもせず、目も合わせない。結希くんの名前すら言わず、まったく慌てた様子もないから、なんか変だなって」

 店主がビラを受け取ると、優季容疑者はすぐに姿を消したというのだ。

 市内にあるパン屋の店員もこういっている。

「私の店には夫婦で来られました。奥さんは見た感じ化粧をしていなくて、旦那さんは眼鏡をかけていた。旦那さんは下を向いて『この子を探してます』ってボソッと。いま思えば“どうしても見つけたい”っていう感じがしなくて、結希くんの名前も言わなかった」

 ポスターを配って回った行動については、捜査かく乱の可能性も指摘されている。

 優季容疑者という人間は、どのような人生を辿ってきたのか。以下は文春からの引用。

《一九八九年四月十日。幼少期は京都市内の市営住宅で暮らし、旧姓は山本だった。市営住宅の住人が述懐する。

「山本さんの家は、優季が三歳くらいの頃に引っ越してきたんです。五歳上のお兄さんがいたけど、父親が違うと聞きました。越してきたばかりの頃はお母さんがいたけど、いつの間にかいなくなっていてね。お父さんは元々いなくて、シングルマザーでした」

 失踪した母は若く、身体の細い女性だったという。両親のいない幼い兄弟を育てたのは祖父母だった。

「しばらくしてお祖父さんが亡くなると、お祖母さんが独りで孫二人を育てた。だから優季は“おばあちゃん子”。大人になっても実家に顔を出していましたが、十年程前にお祖母さんは認知症を患い、最後は施設で亡くなった」(同前)

 入学式や卒業式はもちろん学校行事にはいつも祖母が出席。家の中には必要最低限の家具しかなく、風呂もなかった。優季の兄の同級生が回想する。

「いま思えば彼の家は貧しかったと思います。借金取りがしょっちゅう来て、『家にいるとお年玉から何から全部取られてしまうんや』と泣きながらウチに避難してきたこともあった」

 服はいつも学校指定の白い体操服で、卒業式も他の子がレンタルのブレザーを着ている中、山本家だけは私服で出席していた。》

 優季容疑者は小・中学校でサッカーをやっていたという。中学では生徒会長もやり、真面目で誰からも好かれるタイプだったと同級生が話している。

 高校時代もサッカー部だったというが、時には別の“怖い”顔を見せることもあったようだ。

 高校卒業後、京丹波町にある電気機器を製造する工場に正社員として就職したそうだ。工場関係者がこういっている。

「山本さんは『頼れる先輩』って感じ。仕事も丁寧だし、困っていたら『どうした?』って声をかけてくれる。怒っているところなんて、見たこともない」

 仕事ぶりも真面目で、先頃、課長に昇進したそうだ。

 最初の結婚をしたのは入社から5、6年ほど経った頃だったという。相手は16歳上の同僚女性。子どもも生まれ、子煩悩だったそうだ。

 だが、2018年に結希くんの母・A子が嘱託で工場に入社したことで、優季容疑者の人生が一変したという。

「山本とA子さんは、元々は同じ品質保証部の上司と部下という関係でした。でも、仕事のときも休憩のときも、いつも一緒でイチャイチャし始め、社員旅行でも一緒に行動しているから“おいおい、大丈夫か”と思って見ていたんです」(会社関係者)

 1年程の別居期間を経た後、先妻と離婚した優季容疑者は、昨年12月にA子と再婚した。

 しかし、それからしばらくして、優季容疑者の様子が変わったというのである。

「1月中旬頃からかな。山本は急に人が変わったようになってしまったんや。それまでは明るい性格やったのに、常に考え事をしているような暗い顔になって、人相まで変わってしまったように見えた」(同前)

 元気がなくなり、当日欠勤が増えたそうだ。

 さらに、優季容疑者の同僚はこんな証言をしている。

「あいつは嘘ばっかりつくことで社内では有名だったんです。特に多いのがズル休み。そして、自分より弱いもんには強く出る。A子さんのいないところで、結希くんをぶん殴るところを見た人間が確かにいます」

 結希くんの同級生の保護者も、子どもからこんな話を耳にしていたという。

「結希くんは『家に帰ると変なオッサンがいるからイヤやわ』って。以前は仲良くしていたみたいなのに、結希くんの前で父親の話はタブーになったと。思春期に入って色々と心境が変わったのかもしれません」

 いったい何が2人の間にあったのか?

 結希くんの母親は、子どもがいなくなってから、関東近郊に住む女性の霊媒師に相談していたという。

 子どもを見つけてと必死に訴えてきたそうだ。だが、夫が逮捕された後、こういっていたそうだ。

「A子さんは、未だに夫が犯人であることを信じられないようで、『(優季は)結希の宿題に2時間も付き合ってくれたし、暴力なんてもってのほか。とにかく優しい人だった』と。また、『再婚することは迷ったけど、結希がいいよって言ったから』、『結希は弟が欲しいとも言ってくれていた』と話していた」

 さらにこうもいっていたという。

「いまだに夫が犯人だと信じられないんです。絶対に一人じゃやってない。共犯者がいるとしか思えません。彼が、自分ひとりで罪を被ろうとしているように思うんです……」

 優季容疑者は逮捕後、手で首を絞めて殺したと供述しているといわれる。

 だが、動機については話していないようだが、なぜなのか?

 事件はまだ終わってはいないのに、テレビや新聞は、この事件を忘れてしまったかのように、扱うことが少なくなった。

 彼らは警察が発表するまでは、放送しないし書かない。だが、このスキャンダラスな事件が大好きなワイドショーも、あまり取り上げないのはなぜだろう。

 一説には“現代の知の巨人”といわれる池上彰がこういったことが、自粛をさせる引き金になったといわれている。

 4月20日放送の『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)にコメンテーターとして出演した池上は、大下から「ここまでの報道をどのように見ていますか?」と意見を求められた際、こう苦言を呈したというのだ。

「“あ、なるほど。こういうことだったのか”、あるいは、“警察がこうやって捜査をしてきたのか”っていうことがよく分かるんですが、ただ、見ている側からするとですね、もういいんじゃないですか、この話。容疑者が捕まって、容疑者が事件について認めているんですから。もうこれ以上、扱わない方がいいんじゃないかなと、すいません、私は思いましたけどね」

 SNSでも、「結希くんの生徒にまでインタビューするのはおかしい」「テレビは家を映しているから、特定される」「ほかに報道する重要なことがあるだろう」といった声が多くあったという。

 おいおい、まだ事件は終わってなどいないし、殺した「動機」も判明しない。全容が解明されていないのに、取材もせず、報道を控えているのだとすれば、メディアの怠慢である。

 一部の人間の批判に怯えて、報道を自粛するなどあってはならないはずだ。今からでも遅くない。テレビ、新聞がジャーナリズムなら、この事件の全容を、警察に頼らず、自分の足と目で取材して、視聴者に見せ、読者に知らせるのが「使命」ではないのか。

 週刊誌は昔から記者クラブには入れない。だから、嫌われようと足蹴にされようと、事件の真相を求めて家族、親族、友人など手当たり次第に聞いて回り、ゴミまで漁るのが“取材”だった。

「殺人犯にはプライバシーはない」

 こういえば批判が殺到するかもしれないが、ジャーナリストはそういう覚悟がなければできない仕事であるはずだ。

 今週の最後は、小泉進次郎という政治家に「危機感」というものが、いかに欠けているかについて報じている文春電子版(04/25)のスクープ。

 4月20日午後4時52分、マグニチュード7.7を記録した三陸沖地震が起きた。その日の午後8時34分、小泉進次郎防衛相(45)は自身のXにこう記し、胸を張ったという。

〈私自身が先頭にたち、防衛省・自衛隊として、対応に万全を期してまいります〉

 しかし、いつもながらこの御仁、いうこととやることが違っているのだ。

「地震発生直後、北海道から青森、岩手沿岸などに最大で3メートルの津波警報が発令され、40の市町村で18万人に対し、避難指示が出された。高市早苗首相は午後4時54分に首相官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置。小泉氏が率いる防衛省も、現地にヘリを飛ばして上空からの情報収集を行う一方、海上自衛隊の八戸航空基地では、約210名の避難者の受け入れも行っている」(文春電子版)

 小泉防衛大臣も、テレビを観ながら地震と津波の最新状況を注視していたという。当然であろう。

 しかし、その後、信じがたい行動をとったというのだ。

「港区にある高級焼肉店Xです。地震発生から1時間ほどしか経っていないにもかかわらず、午後6時頃から約2時間にわたり、永田町関係者2人との会食に出席しました」(防衛省関係者)

 小泉防衛大臣が訪れたのは超高級焼き肉店。メニューには7500円の特選タン塩や5700円の特選カルビなどの逸品がずらりと並ぶというから、私が行く店とは値段が全く違う。

「小泉氏が案内されたのは地下の個室で、2万円の懐石コースを注文しました。上ヒレや上カルビ、肩ロース厚切りなどに加え、タラバ蟹まで付いた豪華なコース。小泉氏は高級焼肉を次々と平らげ、冷麺やユッケジャン麺などから選べるシメの食事では、あわび粥を選んでいました」(防衛省関係者)

 その上、赤ワインまで口にしたというのだ。

 先のXへの投稿は、食事を終えた後だった。

 防衛省幹部は「会食の出席に反対の声が上がっていた」と明かしている。

「会食の直前、『災害対応を優先すべき』として、防衛省の関係者から外出をとがめられたそうです。ところが、小泉大臣はそれを無視して焼肉を食べに行ったのです」

 呆れ果てるとは、まさにこのことだ。

 文春が、事務所を通じて小泉に事実関係を尋ねると、以下のように回答したという。

「防衛省では、政務三役による適切な在京態勢を含む万全の危機管理態勢を確保しており、今般の地震対応でも何ら問題無く対応を行うことが出来ました」

 自民党関係者でなくても、あまりの危機感のなさに驚くが、もっと驚くことがあったのだ。

 次の電子版(04/27)で、防衛省関係者が声を落としてこう話している。

「ともに食事したのは、岸田文雄元首相と木原誠二元官房副長官です。『ポスト高市』を見据える小泉氏にとって、この二人は是が非でも関係性を深めておきたい相手なのです」

 次の総裁選を見据えて、この両人の“援護”が欲しかったのだろうが、あまりにも時期が悪かった。

 もはや、小泉をポスト高市の本命とは誰もいわないだろう。有権者も愛想を尽かしたはずである。
(文中一部敬称略)
*注:サンデー毎日は4月21日発売の号から引用しました。
(文=元木昌彦)

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2026/04/29 13:00