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松井秀喜が巨人監督に就任! 武部農水相の疑惑、SNSが子どもに与える深刻な影響――元木昌彦が週刊誌を斬る

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松井秀喜が巨人監督に就任! 武部農水相の疑惑、SNSが子どもに与える深刻な影響――元木昌彦が週刊誌を斬るの画像1
写真:Getty Images

<今週の注目記事>
第1位「ジャイアンツ監督人事に異常あり! 松井秀喜の重大決断」(「週刊文春」10月29日号)
第2位「【スクープ】超人気声優・小野賢章 後輩美人声優と二人きりの『極秘誕生日会デート』撮った!!」(「FRIDAY」11月6日号)
第3位「誹謗中傷で『不敬罪』復活 保守派に利用される皇室」(「サンデー毎日」11月1日号)
第4位「ビールパーティーで抽選会『武部新・新農相』の公選法違反疑惑」(「週刊新潮」10月29/11月5日号)「武部新農相『カメラマン86万円買収』」(「週刊文春」10月29日号)
第5位「規制のきっかけを作った世界的ベストセラー作家の告白『SNSほど大規模に子どもを傷つけた存在は他にない』」(「週刊新潮」10月29/11月5日号)
第6位「祖父の因縁の地『サハリン』で拘束『北海道新聞記者』の名前をなぜ報じない」(「週刊新潮」10月29/11月5日号)「ロシアで拘束 北海道新聞記者のスクープ魂」(「週刊文春」10月29日号)
第7位「『朝日』は熊本地震で大誤報『新聞週間』に考える全国紙の劣化」(「週刊新潮」10月29/11月5日号)
第8位「高市首相がゾッコン “政界渡り鳥”細野豪志復興相の怪金脈と2人の女」(「週刊文春」10月29日号)
第9位「『高級ラブホ』で再び傷害逮捕 懲りない歌舞伎役者『中村児太郎』の弁明」(「週刊新潮」10月29/11月5日号)
第10位「田原総一朗がズバリ聞いた! 林芳正『もし、私が総理とならば』」(「週刊ポスト」11月6・13日号)
第11位「米中急接近の果てに日本、再びの敗戦」(「週刊現代」11月9日号)
第12位「店員が声を掛けて連れ戻し…『我が家』杉山が万引きで送検」(「週刊文春」10月29日号)

 新潮が今週、また合併号。連休でも何でもない週の合併号は、週刊現代や週刊ポストのような月3回刊への布石だろうか、それとも休刊への一里塚か。

 簗和生前農水相を、文春と共にスキャンダルで追い落とす底力を持っているのに……。

 たしかに今、スクープでも雑誌は売れない。新潮が今週書いているように、全国紙の「劣化」は甚だしい。

 週刊誌ネタの後追いしかできなくなってしまった新聞。お笑いと「うまい、うまい」を連発するだけの芸ノー人が闊歩するテレビ。

 こんな時代だからこそ、権力者をスキャンダルで追い詰める週刊誌が必要なのだ。

 考えてみてほしい。今、文春、新潮が休刊したら、芸能人の不倫も、政治家たちの下半身も、企業トップのコカイン中毒も、読めなくなってしまうのだ。

 評論家の立花隆は、真のジャーナリストは「マックレーカー」(Muckraker / 肥溜めを掘り起こす人)であれといった。

 これは、ルーズベルト米大統領が1906年の演説で、政財界の汚職や社会の暗部を暴くジャーナリストたちを批判的に(後に親しみを込めて)そう呼んだのが始まりだといわれる。

 マックレーカーになれるのは週刊誌ジャーナリズムしかない。みんなで応援してやろうではないか。

 話は変わるが、競馬のGⅠ「菊花賞」が終わった。単勝1.2倍で、三冠確実といわれていたロブチェンが出遅れ、14着に惨敗した。武豊のゴーイントゥスカイが勝ち、川田将雅のバステールが2着、C.ルメールのダノンヒストリーが3着だった。
馬連は、11,530円で、3連複は8580円。ロブチェンの松山弘平騎手は、レース前、明らかに緊張していた。無理もない、牡馬牝馬の三冠馬騎手は史上初だったからだ。

 出遅れたのは致し方ないが、道中の位置取りも、松山は迷っていたようだった。ロブチェンの力なら、三角をまわったところで2番手に躍り出るくらいでもよかったと思うが、やはり3冠がかかっていたから、慎重すぎて、墓穴を掘ったようだ。
競馬はすべてそうだが、終わってみれば、至極簡単なレースであった。ダービーで3着と4着だった馬が来ただけだ。ダービー2着馬は出ていないから、ロブチェンがいなければこの2頭で決まるのは自明の理だった。

 それに、騎手も武豊、川田、ルメールの3人で買えば、3連複も取れたはずだ。
それを買えなかった私がバカだった。ロブチェン頭で、薄目流し。ゴール前、自分の頭をどやしたくなった。これから秋のGⅠは、単純馬券を買うことにしよう。反省!!

 今週は、お笑い芸人の話からいこう。売れっ子のお笑いタレントたちの入院や休養などのニュースが、最近多いような気がする。

 今は頂点にいる彼らも、いつ、すごい若手が台頭してきて自分の座を奪われるかもしれないという強迫観念を、常に持っているのだろう。

 一時的にでもテレビから消えれば、代わりはなんぼでもいるから、体調が悪くても出続け、緊急入院する者まで出るのだろう。

 テレビから消えたタレントは大変である。私はよく知らないが、お笑いトリオ「我が家」の杉山裕之(49)も一時は少し売れっ子だったらしい。

 その杉山が10月14日、スーパーで食品を万引きしたとして、警視庁目黒署に窃盗容疑で書類送検されたと文春が報じている。

 杉山が事件を起こしたのは9月15日の昼過ぎ、買い物へ出た先のことだったという。

「長く住む東京都目黒区の賃貸アパートから徒歩5分の場所にある、都市型の小型スーパーです。かごに入れた商品をセルフレジで精算する時、一部のバーコードをわざと読み取らせないまま袋に入れ、そのまま会計を終えて店を出ていました」(社会部記者)

 彼が精算せずにレジを通したのは、ウインナー2袋とラーメンスープ2袋、冷凍インゲン、サラダ、チャーシューの計7点。販売価格にして1189円分だったそうだ。

「全て防犯カメラに映っていました。裏の事務室で映像を見た店員が、外に出た杉山に声を掛けて店に連れ戻しています。普段からすべての客をチェックしていたわけではないでしょうから、何か不審な気配があったのかもしれません」(同前)

 店から通報を受けて駆け付けた警察官に対して、杉山は盗みを認め、「仕事が減って収入が少なく不安だった。少しでも手持ちの金を残したかった」と話したという。

《二千三年結成の「我が家」は、かつて「爆笑レッドカーペット」(フジ系)「エンタの神様」(日テレ系)など数々のバラエティー番組に出演していた。リーダーの坪倉由幸(49)はその後、俳優としても活動の幅を広げたが、杉山と谷田部俊(48)は十分な仕事がなく、収入も激減。最近はトリオの仕事はほぼゼロで、事実上“解散”状態だった。》

 杉山はワタナベエンターテインメントだが、杉山は事務所に、その件を報告していなかったという。

「事務所は書類送検のニュースで初めて万引きを知った。他のメンバーも事務所からの連絡で知り驚いていたようです。事務所は十四日に杉山を呼び出して事実を確認、謹慎処分にしました」(芸能関係者)

「事件としては、本人が罪を認めて弁済したなら、不起訴になる可能性が高い」(前出・記者)といい、契約解除までには至っていないようだが、いずれ復帰できても前途は暗いだろう。

 このところ、タレントたちばかりではなく、活躍した元スポーツ選手が、コンビニやスーパーで万引きをしたというニュースをよく聞く。

 可哀そうだとは思わないが、お笑いタレントもスポーツ選手も、活躍できるのはほんの一時期である。人生80年時代。その後の人生は長くて厳しい。

 吉本興業には、お笑いタレントになりたいという若者が列をなすそうだが、テレビに出られるのはごくごく少数。売れっ子になるのはほんの一握りである。そうした現実を、吉本は彼らに伝えているのだろうか?

 次は週刊現代から。現代編集部に籍を置き、中国問題の専門家として多くの著作やテレビに出ていた近藤大介が講談社を定年になった。

 講談社は61歳の誕生月が定年である。ご苦労様。私が現代の編集長だった時、彼が北京大学に留学して中国語を学びたいといってきたのでOKを出した。

 それ以前から彼は語学の“天才”といわれていて、英語はネイティブがビックリしたほどで、韓国語なども書けて話せた。

 まだ編集部に余力のある時代だった。彼が律義に毎月送ってくる北京レポートは面白く、社内で回し読みさせ、確か販売からではなかったかと記憶しているのだが、「これをぜひ本にしましょう」という声が出てきた。

 それが『北京大学三ヵ国カルチャーショック』。講談社社員が実名で出した最初の本になり、話題を呼んだ。

 講談社が北京支局を出したとき、近藤の力を借りた。その後は、中国情報を彼なりのユニークな切り口で取り上げ、中国問題では欠かせない存在になった。

 とにかく24時間、中国の報道に耳を傾け、SNSを見て回る。社業をやりながらだから、いつ寝るのか心配になるくらいだった。

 これからは好きなことを好きなだけやれるのだから、どんな中国情報が彼の手によって引き出されるのか、楽しみである。ちなみに彼の奥さんは中国人で、高貴な出である。

 その近藤が、今週の現代で、習近平国家主席の戦略を解説しながら、このまま日本が日中関係を放置したままだと、再び「敗戦」を迎えると警鐘を鳴らしている。

 近藤は、習近平がいつもいっている2つのフレーズ「米中2大国」と「第二次世界大戦の戦勝国」に注目している。

 習近平という人間は「執念深い政治家」で、9月にアメリカを訪問した際にも、「第二次世界大戦中、中国とアメリカは肩を並べてファシズムの侵略と立ち向かい、勝利した」と述べたが、近藤は、中華人民共和国が建国されたのは大戦後の1949年なのに、どうやって「アメリカの同盟国になれるのか?」と問う。

 だが、AI分野でもアメリカに追いつき追い越せという勢いに加えて、同盟国の数も増やしている中国の前に、日本は「傅く(かしずく)」ことができるのかが、いま問われているという。

 では、中国の軍門に下るのをよしとしないとすれば、日本はどのようにしたらいいのだろうか?

 近藤は2つの提言をしている。一つは、オーストラリアやカナダ、韓国との関係強化。二つ目は、台湾統一が難しいと考えた習近平は、レガシーづくりのために尖閣諸島を奪取する可能性も否めないから、日本は国力のすべてを「尖閣諸島防衛」にあてるべきだという。

 そうでもしないと、この国は再び敗戦国になってしまうというのだ。好漢のさらなる活躍を期待しよう。

 さて、高市政権は数々の不祥事や重大疑惑があるのに、まだ50%もの支持率があるようだ。

 不可解ではあるが、その理由の大きな部分は、高市がこけたら誰がやるんだ? という「考え違い」に由来すると、私は考えている。最大の問題は、高市を追い落とそうという猛者が出てこないことである。

 ポストで田原総一朗が高市政権から離れ、「次期総理候補」の声が高い林芳正を直撃しているが、これがなんとも情けないというか、不甲斐ない、頼りないのである。これを読んで一番喜んでいるのが高市であろうことは間違いない。

 田原が「ズバリ本人から聞きたかった。来年9月の総裁選に出るのか?」と聞かれて、林は「あまり軽々に物を言わないほうがいいと思っています」と、はぐらかす。

 田原が「日米同盟を変えるのか?」と迫ると、「日米同盟はよくできた仕組みですから、基本、つくりかえる必要はありません」。ガックリ。

 田原が、「日中関係を変えることができるのはあなたしかいない」といわれると、「まさに日米+の考え方でしっかりやりたい」と、あくまでも日米機軸を変えないという優等生答弁。

 野に放たれたトラは咆哮しなければ、ブタと同じである。

 今の政権とは違った、これこれをやりたい、来秋には必ず政治生命をかけて総裁選に出馬する、と吠えなければ、万年候補で終わってしまうだろう。

 国民の多くは、高市首相に代わる人間がいれば、なびこうとしているのだ。今やらなければ、来春になれば「俺がやる」という者が出てくるから、埋没してしまう。

 林の腹の中は、次期総裁選に出ると決まっているはずである。だったら、一刻も早く手を挙げるべきだ。まあ、林芳正という男は、所詮、そんな男だからな……。

 お次は、歌舞伎界のお騒がせ男、中村児太郎が、またまたやらかした暴力沙汰のお話である。

彼の祖父は人間国宝の七代目中村芝翫、父は九代目中村福助。以前、妻への壮烈な暴力を新潮が報じたことがあったが、その妻とは離婚協議中だそうだ。

 新潮によれば、10月3日、都内・歌舞伎町にある1泊約4万円する高級ラブホテルの部屋で“事件”が起きたという。

「午前4時30分頃、同ホテルの一室で26歳の女性が男性から顔を鷲掴みにされ、平手打ちや引っ掻かれるなどの暴行を加えられました。その後、女性は警視庁に被害届を提出。5日、児太郎氏は傷害容疑で逮捕されました。逃亡や証拠隠滅の恐れはないとの判断で、翌日には釈放となりましたが、現在も任意捜査が継続中です。女性は、“児太郎の彼女”と名乗っていたとのことです」(警視庁関係者)

 新潮が彼に電話すると、こういったという。

「歌舞伎界の皆様ならびにファンの皆様に対しては、一度のみならず再度裏切ってしまい、お詫びしてもしきれません。昨年のスキャンダル報道後、自分を見つめ直し、復帰を目指してやって参りましたが、今回の事件で二度と舞台に立てなくなったと思っています」

 件の相手の女性とは数カ月前に知り合い、「私の弱さから精神的に頼ってしまう関係」だったと説明したそうだ。

「ホテルの室内で酒を飲んだ状態で痴話喧嘩になってしまい、つい手を出してしまった。警察の調べでも暴行の事実を認め、釈放後は自宅で反省する日々です」

 この男、女性虐待の病があるのではないか。放っておけば、またやらかしそうで怖い。

 今回は、両親にも正直に打ち明けたと話す。

「母からは『死にたい』と言われました。父も怒って何かを話そうとするのですが、2013年に脳出血で倒れてから失語症を患っており、思うように言葉を出せない。不祥の息子が一門の名を汚してしまい、先人たちにお詫びしたい気持ちもあるでしょう。どう責任を取ればいいか、本当に自分でもわからない。許されるならば死んでお詫びしたいと考えてしまう日々。釈放後は、被害女性に誠心誠意お詫びし、弁護士を通じて示談交渉を進めているところです」

 これほどの親不孝があるのか。歌舞伎界はこの男の処遇を本気で考えないと、歌舞伎界の人気はさらに落ち込むに違いない。

 お次は、政治家・細野豪志(55)の話。かつて人気だったフリーアナの山本モナとの路上でのキスシーンの素晴らしさは、今でもFRIDAYの語り草になっている。「路チュー写真」の帝王といっていいだろう。

 当然、糟糠の妻・節子は怒り狂い、離婚沙汰かと思えば、文春によれば、謝罪行脚に駆け回ったのは節子のほうだったという。

 その細野豪志という政治家、路チュー以外には政治家としての功績に見るものはない。

 山本モナとの「不倫」で、すべてを使い尽くしたのであろう。一方のモナのほうは、フリーアナウンサーとして活躍した後、3人の子育てをしながら約5年にわたる司法試験への挑戦を続け、2025年に見事合格を果たしたという。やはり女性のほうが一枚も二枚も上だったようだ。

 民主党で小沢一郎の手下だったが、民進党と党名変更したため離党。都知事の小池百合子と「新党・希望の党」を結成したが、小池の「排除」発言で失速。
そこから紆余曲折を経て自民党入りし、今回目出度く、高市首相から復興相に指名されたのである。

 高市首相はミーハーで面食いである。内閣改造の記念写真撮影の時、高市が自分の隣に来るよう手招きし、10秒ほど細野をジッと見つめていたのが話題になった。政界にはまれなイケメンを、自分の手下にして、高市はさぞ満足だったことだろう。

 文春は、翌18年6月に発覚した、細野の5000万円不記載事件を報じている。

「細野氏は17年衆院選の投開票日3日前の10月19日付で、再生エネルギー関連企業JCサービスの子会社JC証券から5000万円を借りていた。ところが、選挙運動費用収支報告書にその旨を記載していなかったのです。18年4月に資産報告書を訂正し、5000万円の借り入れを記載。『選挙資金ではない』『個人の借り入れ』と会見で釈明しました。しかし、当初は融資契約書も作成されなかったなど不自然な点も指摘されていました」(社会部記者)

 また、初めて自民党公認で挑むことになった24年10月の衆院選で、正規の事務所ではない“ヤミ選挙事務所”を設けていたとも報じている。

 さらに、前の総裁選では石破茂を担いだのに、

「細野氏はここでも“渡り鳥”ぶりを発揮していました。今年5月に発足した高市首相を支持する議連『国力研究会』に石破氏の側近たちが加わらない中、締切直前に入会。そして今回、“サプライズ入閣”を果たしたのです」(自民党関係者)

 要は、自分が常に脚光を浴びるところにいたい。その志だけで、政界を渡り歩いてきた政治家である。高市首相との親密な姿が、良からぬ見出しでFRIDAYに載らないといいのだが……。

 ところで、大新聞といわれる新聞、中でも朝日新聞の劣化が激しいと、新潮が指摘している。

 新潮によれば、1957年に創設された「新聞協会賞」のホームページには〈日本新聞協会が年1回、優れた報道の担い手に贈る賞です〉とある。だが、今年はなんと全国紙に受賞記事はなし。

 新聞各社からの応募総数はのべ108件。この中から新聞の“心臓部”とも呼ぶべき「ニュース」部門で受賞を果たしたのは、福岡県議会のさまざまな疑惑を報じた西日本新聞社〈調査報道「歪んだ関係―福岡県政を追う」〉だった。
この受賞は当然だが、全国紙が受賞なしとは……。

 新潮によれば、そればかりではなく、朝日新聞は大誤報までしていたというのである。

「7月29日に朝日新聞は〈『真っ暗で煙吸った』 崩落のイオンモール、途絶えた彼女のLINE〉という記事を配信しました」(朝日新聞関係者)

 しかし、

「“イオンで働いていた交際相手と連絡がとれない”と語る男性の記事でした。ところが、該当しそうな被害女性が実在しないなど、男性の話に疑わしい点が次々と見つかった。見出しにもあるようにLINEのやりとりがキモなのに、なぜか担当記者はLINEの画面を確認していなかったことも判明した」(同)

 朝日新聞は最終的にこの記事を“取り消し”、謝罪文を掲載するに至ったという。
この体たらくはどうしたことだろうか?

 読売新聞社会部OBでジャーナリストの大谷昭宏は、

「劣化の原因はいろいろあるでしょうが、各社が“お手々つないで”という馴れ合い体質になり、特ダネを競い合う気持ちがなくなっているように思います」

 続けて、

「私の現役時代の新聞協会賞として真っ先に思い起こす記事といえば、サンケイ新聞(当時)の『連続企業爆破事件の犯人グループ、きょういっせい逮捕』。当時、私は大阪社会部に在籍していましたが、度肝を抜かれるような大スクープで、深夜、上司に叩き起こされた苦い思い出があります」

 私もよく覚えている。当時の社会部警視庁捜査1課担当キャップを務めていたのは福井惇。

 凄みはあったが、人間味のある人だった。私のような週刊誌屋風情にも、会いに行けば時間をとってくれて、面白い警察内部の話をしてくれたり、部下を何人も紹介してくれた。

 後年、私の記憶では、法政大学の講師をしていたと思う。彼の紹介で、法政大学で何度か教えたことがあった。

 私が、週刊誌編集者として何とか生きていけたのは、福井惇のおかげだと、今でも感謝している。

 大阪読売の黒田清社会部長も、人間味のある優しい人だった。同じ読売新聞出身の本田靖春と私が仲が良かったこともあって、3人で、新宿の墓場の裏にある豪快なママのいるスナックで、何度も一緒にカラオケを歌ったものだ。懐かしい。

 テレビはいざ知らず、新聞がダメになってきたのは、福井や黒田のような、仕事には厳しいが、人間味のある上司がいなくなってきたからではないか。

 新聞でもテレビでも雑誌でも、作っているのは人間である。人間を大切にしない組織は崩壊する。大新聞の凋落の根本原因は、そこにあると私は思うのだが。

 新潮は、記者クラブ批判をしているが、これは昔からいわれていること。権力を監視するべきジャーナリストが、権力側に場所を提供してもらい、情報までいただける居心地のいい記者クラブという「温室」でヌクヌクしながら、「俺たちは権力の監視役だ」などと嘯いても、誰も本気にはしない。

 日本大学危機管理学部の西田亮介教授は、現在、求められる新聞の在り方をこう語っている。

「私は10年前から、SNSやAIによって情報が溢れている時代には、整理、分析、啓蒙に貢献するジャーナリズムが必要だと主張しています。正しい情報と誤った情報を腑分けするのが整理で、大量のデータから意味を摘出するのが分析です」

 私が以前から気に入らないのは、さすがに大新聞ではないが、スポーツ紙やネット・メディアに蔓延している「こたつ記事」である。

 例えば、「高市首相が睡眠もロクにとらずに国のために働いている」という発言を取り上げて、それに対してSNS上では「高市さん、もっと寝てください」「寝ないことを理由に危機管理できないのは首相失格」という声が溢れている、というような記事だ。

 ここには、記者の「目」も「取材」もない。こんなふざけた記事が溢れているのだ。

 これでは、YouTubeやSNSのたわ言を見たり聞いたりしていたほうがましだと思うのは、無理もない。

 私は、新聞、大新聞はもっと怒りを露にして、高市政権批判、無意味な戦争を繰り返すプーチンやネタニヤフ、トランプたちを激烈に批判するべきだと思う。

 寝言のような社説など、誰も読みはしない。一面で、堂々と論陣を張れ。その心意気を見せず、腰が引けた生温い社説など止めてしまえ。

 いい考えがある。大新聞の中堅記者を文春や新潮編集部に半年ぐらい居候させてもらって、ジャーナリストとはどういうものかを叩きこんでもらえばいい。

 そうすれば、いくらかましな記者に育つかもしれない。朝日新聞さん、やってみたら?

 さて、北海道新聞の男性記者が旧樺太だったサハリンで、ロシア当局に拘束された。

 在ロシア日本大使館の幹部らが、記者がいるとみられるモスクワのレフォルトボ拘置所を訪れたが、面会は実現しなかった。

 いったい、何の容疑で逮捕されたのかさえ、今のところ伝わってきてはいない。

 北海道新聞は、日本のメディア唯一、サハリンに支局を置いている。

 ロシア連邦保安庁(FSB)は、ウクライナ侵攻に動員されていた兵士について情報を収集していたスパイ行為だと主張しているのだが。

 各メディア、記者の実名はなぜか伏せられたままだが、新潮は、実名を記している。

 新潮によれば、サハリンは記者の祖父のゆかりの地だというのだ。

 記者は道新の紙面(2017年5月31日付)でこう綴っていたという。

「祖父は戦前、樺太のホルムスク(真岡)で生まれ、旧ソ連軍が戦争末期に樺太に侵攻してからもしばらく住んでいた。(中略)民間人が犠牲になった当地での地上戦については『必死に逃げた』と話すのみ」

 祖父が辛酸を嘗めた土地で、今度は自身がロシア当局によって囚われるとは……。

 今回の拘束事件に関して抗議声明を出したユーラシア研究センターの岩下明裕特任教授がこう語っている。

「ユジノサハリンスクは人口20万人ほどの小さな町ですが、戦争に動員されている人の割合がとても高い。そういう場所で取材すると犠牲者の家族は当然、戦争の実情を話したくなります。ロシア政府は戦争の被害状況を掘り起こされるのが嫌だったのでしょう。現在の日ロ関係は最悪で当局の行動にも歯止めがかからず、見せしめにされた格好です」

 スパイとされれば、最悪、10年以上の刑が科せられる場合もある。

 3年前にアメリカのウォール・ストリートジャーナルの記者がスパイ容疑で逮捕された時は、懲役16年の判決が下った。だが、ロシア側がアメリカの捕虜との身柄交換に応じて釈放されたが、日ロの間にはそうしたことはできない。

 今の高市首相では、プーチン大統領と直接交渉する術がないだろう。

 親ロシア派の鈴木宗男に頼んでも無駄なんだろうな。

 ジャーナリスト、特に危険な地域を取材する人間には、常にこうしたリスクがある。紛争地域を取材していたフリーの日本人記者が何人も殺されている。

 だが、彼らがいなければ、われわれはアメリカ経由の彼らに都合のいい情報しか手に入らない。

 この事件は、この国のジャーナリストに対する国の考え方、国民の考え方が問われていると思う。

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2026/10/27 11:00