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マイケル復活、W杯狂騒、高市首相疑惑――週刊誌が映す現代日本の不安

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イメージ画像(写真/Getty Imagesより)

<今週の注目記事>
1「高市首相『中傷動画』全ての疑問に答える」(「週刊文春」6月25日号)
2「連続スクープ高市陣営『中傷動画』『サナエトークン』首謀者の正体」(「週刊現代」7月6日号)
3「皇室典範改正に異例の警鐘 天皇陛下の“お気持ち”を察せよ」(「週刊新潮」6月25日号)
4「麻生太郎がたくらむ『令和の藤原氏』」(「週刊文春」6月25日号)
5「『人の顔ばかり』の社会でSNSとどう向き合うか 解剖学者 養老孟司」(「週刊新潮」6月25日号)
6「手元と足元がブルブル震えて…やはり消えない高市首相の重病説」(「週刊新潮」6月25日号)
7「FIFA&米国の『ヤクザ作法』チケット転売、イラン苛め…」(「週刊文春」6月25日号)
8「国家情報戦略に異議あり! 『デジタル主権』を失った日本は、すでに“無条件降伏”だ」(「サンデー毎日」6月28日号)
9「中村玉緒が語り続けた勝新太郎とパチンコへの異常な愛」(「週刊文春」6月25日号)
10「時価総額1位 キオクシア『3つの急所』と『45歳取締役』」(「週刊文春」6月25日号)
11「中高年に人気のサプリ、アルツハイマー病の進行早める恐れ」(「ニューズウィーク日本版」Web版06月15日(月)10時00分)

 先週、映画『Michael/マイケル』を観てきた。いい意味で予想を裏切られたが、素晴らしい躍動感あふれたマイケルの歌とダンス。

 マイケル・ジャクソンが映画の中で蘇った。

 マイケルを演じる俳優がいるとは思わなかった。プロデューサーのグレアム・キングもそう考えていたという。彼は『ボヘミアン・ラプソディ』のプロデューサーだった。

 だが、ある日、ジャクソン5のジャーメインが息子2人とドイツでクリスマス曲を歌う動画をYouTubeで目にしたという。ジャファーに目を見張った。

 彼が演技をしたいかは知らなかったが、ジャーメインに電話をかけ、こういったそうだ。

「君の息子ジャファーとランチがしたい。お願いできるかな」

「ランチを始めて10分もたたないうちに、私は思わず聞いた。『ジャファー、オーディションのつもりかい? ランチをしているだけなのに、君はマイケルを演じているようだ』。でも、『僕は役者じゃないし、役者になりたいとも思っていない』というのが彼の答えだった。

 ジャファーは当時プロゴルファーを目指していた。ゴルフがとてもうまくて、音楽が好きだった。私は気持ちを落ち着かせて、無理強いしないように気を付けた。それでも7分後には、また言ってしまった。

『正直に言ってくれ、いまマイケルを演じているだろう?』」(『ニューズウィーク日本版』Web版06月18日(木)11時00分より)

 ジャファーからマイケルと同じDNA、柔らかさ、笑った時の目の表情を感じたという。

「マイケルと活動したバックダンサーや振付師にジャファーを預けて3週間指導してもらったが、彼には無理だろうと言われた。『マイケルのように踊れなければ、この話は終わりだ』とジャファーに伝えると、『少しだけ時間を下さい』と彼は言った。

 1カ月後にジャファーから連絡があり、マイケルの家に呼ばれた。そして彼のパフォーマンスに度肝を抜かれた。彼は『ビリー・ジーン』や『スタート・サムシング』をやってのけた。信じられなかったが、映画は実現に向かっていた」(同)

 気の遠くなる歳月を経て『Michael/マイケル』は完成した。見事に映画の中でマイケルを蘇らせたのだ。

 理屈抜きに楽しめる映画は少ない。だが、この映画を見ながらほかのことを考えることはできない。体が自然にリズムに反応し、マイケルのムーンウォークに我を忘れる。

 これはテレビ画面で観てはいけない。音響のいい劇場で観るべき映画だ。

 さて、私も80歳になって、認知症が進んでいることを毎日感じている。メガネを忘れる、今かかってきた電話が誰だったのか思い出せない、新しい飲食店に行こうと思うと必ず迷うなどは日常茶飯。

 一番困るのは、原稿を書き終えてから2度は読み直すのだが、見過ごしてしまう誤字脱字が多くなり、編集者に呆れ顔をされることもしょっちゅうである。

 私事で恐縮だが、私が講談社時代から兄のように思い、これまでの人生の相当な時間を2人で飲み明かしてきた「野間道場(講談社にある由緒ある剣道場)」の元道場主だった杉山捷三さんが2月に亡くなっていたことを知った。享年87。

 ここ数年会えなかったのは、彼が認知症になったからだった。携帯もつながらなくなり、消息も途絶えた。

 週刊現代の特集を私が校了にするまで、仮眠室で寝て待っていて、終わったと見ると、「おい、ちょっと行こう」と、池袋の中華屋などに行く。

 朝、出勤するサラリーマンの群れを見ながら、2人で日本酒や焼酎を呷ったものだった。

 編集の仕事はやらなかったが、剣道の練習には励んでいた。体は小さいが名前のごとく敏捷で、こういう人は長生きするだろうなと思っていた。

 まさか彼が認知症になるとは思いもよらなかった。

 会わなくなって5年以上が経った今月、講談社の剣道部に悲報が届いた。亡くなったのは2月だったそうだ。あの野太い声で、「元木よ、一杯付き合え」という声はもう聞けない。寂しい。

 彼は東京裁判に関するアメリカの膨大な資料を手に入れて、講談社に映画『東京裁判』(小林正樹監督)を作らせた男である。もうすぐ「8月ジャーナリズム」が来る。必ずどこかのテレビ局が『東京裁判』を流す。後世に残る秀逸なドキュメンタリーを残して彼は去った。

 人生の何分の一かを杉山捷三さんと過ごした。体の半分をもがれたような気がしている。

 彼が認知症になっていなければ、もっと会えた。酒も酌み交わせた。時々は記憶が戻って、「お前、元木じゃないか。懐かしいな」。そういって一升瓶をコップにドクドクと注いでくれただろう。

 お墓はどこなのだろう? 手を合わせ、「ありがとうございました」と語りかけたい。

 ところで、ニューズウィーク日本版によると、

《関節の痛みを和らげるために多くの中高年が愛用しているサプリメントが、アルツハイマー病の進行を加速させる可能性があることが、米フロリダ大学の最新研究で明らかになった。

 6月9日に専門誌『ネイチャー・メタボリズム』に掲載された研究によると、すでに軽度認知障害の兆候が見られる人がグルコサミンのサプリメントを摂取していた場合、服用していない人と比べて認知症を発症する確率が25%も高くなるという。

 さらに研究チームは、すでにアルツハイマー病や関連する認知症の診断を受けている患者がグルコサミンを摂取していた場合、死亡リスクが25%上昇することも発見した。》

 私はグルコサミンを飲んではいないが、一番有名な栄養補助食品であろう。高齢者ならずとも、若いうちから飲み続けている人は多いはずだ。

 それを飲んでいると認知症になる確率が25%も高くなるというのである。

《調査にあたり、研究チームはAIを活用し、フロリダ大学ヘルスケアシステムが2012〜2024年に収集した匿名の患者医療データを分析した。対象としたのは、アルツハイマー病や関連の認知症と診断された患者のグループと、アルツハイマー病の前段階にあたることもある軽度認知障害の患者のグループだ。

 認知症患者1896人、軽度認知障害患者2750人がグルコサミンを摂取していると回答した。これは各グループの約8%に相当する。

 年齢や性別、人口統計学的属性などを調整しても、データには明確な傾向が現れた。グルコサミンを摂取している軽度認知障害の患者は、認知症へと進行する確率が明らかに高かったのだ。チームはさらに、人間の脳組織の高度な画像解析や、アルツハイマー病のマウスモデルを用いた実験を行い、この関連性を説明し得る生物学的なメカニズムの特定を試みた。

 その結果、アルツハイマー病患者の脳内ですでに乱れている代謝プロセスに、グルコサミンが干渉していることを示す証拠が見つかった。注目すべきは、死亡リスクの上昇が見られたのはすでに認知症と診断されている患者だけで、軽度認知障害の段階にある患者には見られなかった点だ。研究チームは、病気の進行度合いによってサプリメントの影響が異なる可能性を示していると考えている。

 研究チームは、今回の結果が観察研究によるものであり、確定させるには臨床試験が必要であると認めている。それでも、代謝機能の障害が神経変性疾患の主要な原因であるという、近年の有力な説を裏付ける新たな材料になるという。》

 昔から、グルコサミンは何ら効果ないとはいわれていたが、認知症を発症する確率が高くなるというのでは……。

 ところで私はキオクシアという会社はよく知らないが、半導体メモリ大手だという。

 文春によれば、そのキオクシアの株価が9万円を超え(16日時点)、時価総額は国内1位となる51兆円を突破というのである。

 2024年12月の上場時の初値は1440円。そこからわずか1年半で長らくトップに君臨したトヨタ自動車を抜いたのである。

 たしかに、生成AIの普及により半導体メモリはここ数年で需要が急伸していることがキオクシアの大躍進の背景にある。

 主力製品である「NAND型フラッシュメモリ」の売り上げ急増だ。半導体アナリストの大山聡が語る。

「正直、ここまでの爆速成長は5月頭まで予測できませんでした。半導体メモリには、データを高速で読み書きする『作業机』にあたるDRAMやHBMと、大容量のデータを保管できるものの処理は低速な『本棚』にあたるフラッシュメモリがあります。キオクシアが手がける後者は、膨大なデータを瞬時に読み書きしなければならない生成AIには、不向きだと考えられてきたのです」

 その潮目が変わったのが、25年9月のことだったという。

 キオクシアが岩手県北上市にある新工場(第二製造棟)の稼働を開始し、AI用メモリの量産体制に入ったというのだ。

「データ読み出しの速度が従来比で百倍になるフラッシュメモリを搭載した記憶装置・次世代SSDの製造を本格化させたのです。これをきっかけに、グーグルやマイクロソフトなどのビッグテックも自社のAIデータセンター向けに、こぞってキオクシアの高性能SSDを買い求めるようになった」(同)

 キオクシア(旧東芝メモリ)は2017年に発足。経営危機に陥った東芝の半導体部門から分社化され、18年に米ファンド・ベインキャピタルなどに買収されたそうだ。

 株価が9万円では、私のような貧乏人は買えないが、これからもこの快進撃は続くのだろうか?

「メモリの製造装置自体をつくるのに数年かかる。核となる露光装置で、発注から出荷まで約2年。これまでは増産体制が整う2年後の時点では需要が落ち着いていて、慌ててブレーキを踏むというサイクルを約4年周期で繰り返してきました。DRAMの需要が爆発したのが昨年。フラッシュメモリは1年遅れてブームが来た。競合他社が来年以降どんどん新型SSDを投入してくることも踏まえると、需給バランスが落ち着くのは再来年ではないでしょうか」(同)

 株式ストラテジストの大川智宏はやや懐疑的のようだ。

「現在のフラッシュメモリの需要は、コロナ禍におけるマスク買い占めのような、“パニック買い”に近い状況になっている。価格が高騰している分、反落したときの反動も大きい。さらに生成AI競争が過熱する中で、今後数年のうちに淘汰される企業も現れるでしょう。そうなれば、需要はさらに落ち込みます」

 台湾有事などが起きればあっという間に市場は冷え込むのだろう。

 キオクシアの株の約2割を保有する大株主・ベインキャピタルの動向も見過ごせないという。

 ベインは24年以降、スーパーマーケット「イトーヨーカ堂」を運営するヨーク・ホールディングスなどを次々と買収。経営難にある日本企業の“再生請負人”として存在感を高めているという。

 先の大山はこう話す。

「いくつかのリスクはあるとはいえ、10年スパンで見たらまだ“買い”の局面。ですが、今後は今のような乱高下が続くはず。底値のタイミングを狙って買う、くらいの構えで良いのではないか」

 半導体、AI、MAGAなどの株はまだまだ上がるのだろう。だが、われわれには手の届かない高値だから、どうでもいいがね。

 ところで、女優の中村玉緒が亡くなった。享年86。

 バラエティのおばちゃんとして人気を博したが、元々は名門梨園のお嬢様。

 16歳で映画会社の「大映」入りし、後の夫になる勝新太郎と『不知火検校』で共演する。

 勝はこの時の玉緒を見て、「俺はあの時惚れた」といったそうだ。

 だが、勝は浴びるほど酒を飲み、数多くのスキャンダルを起こし、途方もない借金を残して人生を駆け抜けた役者バカである。苦労も多かったはずだが、2人の絆は強かった。

 文春によれば、「とにかくパチンコとスロットが大好きで週2回ほどはTBSに近い東京・赤坂のパチンコ屋さんに通っていました。趣味が高じて自身の名前を冠する台のオファーやパチンコ屋さんでの営業のお仕事も来て、とても喜んでいましたよ」(所属事務所の元スタッフ)

 このパチンコ屋は私も何度か入ったことがあった。TBSの連中との待ち合わせまで時間があると、入った。そういう時に限って出たものだったな。

「バラエティでブレイクするきっかけは明石家さんまさんでした。『さんまのまんま』(フジテレビ系)に玉緒さんが出演した際、さんまさんが『(夫の勝新太郎は)すごいですねえ』といじったところ、『ええ〜や〜』と変な声を出した。それがウケて、さんまさんの番組によく呼ばれるようになったんです」(同)

 勝は12億円ともいわれる莫大な借金を遺したが、

「勝先生が亡くなった後も玉緒さんが返済しようとするとあるタニマチが『これは勝新太郎に貸した金だ』と受け取りを拒んだんです。ご夫婦の人柄あってのことでした」(同)

 すっかりお茶の間の人気者になった玉緒だったが、徐々に認知症の症状が出るようになり、3年ほど前からは都内の介護施設に入所していたという。

「認知症が進み、自宅の場所が分からなくなり、警察に保護されることもあった。施設に入所している時に玉緒さんを支えたのが若手時代に勝さんの付き人だった俳優の松平健さんでした」(芸能関係者)

 新潮のモノクログラビアに、今から33年前、ニューオータニのクリスタルルームで玉緒が歌とダンスを披露した時の写真が載っている。

 カウンターにいる勝新が「よかったよ」と手を叩いている。玉緒は少女のようにはにかんでいるように見える。

 玉緒、また勝に会えてよかったね!

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2026/06/23 18:30