高市政権が強行する皇室典範改正、文春“中傷動画”追及の沈黙、森保監督続投論の違和感――週刊誌が映す日本の現在地

<今週の注目記事>
1「独白100分 橋本愛に『ハラスメント』報道 佐藤二朗(57)が語った『全真相』」(「週刊新潮」7月16日号)
2「愛子さまを『二級皇族』に 皇室典範改正案の残酷さ」(「サンデー毎日」7月19日号)
3「安倍晋三が『君は政治の現実が分かってない』高市首相の重大欠陥」(「週刊文春」7月16日号)
4「専門家の警告を無視した高市官邸の“罪”」(「週刊新潮」7月16日号)
5「財務省が企む『医療費爆上げ計画』」(「週刊ポスト」7月24・31日号)
6「森保一監督続投で本当にいいの?」(「週刊文春」7月16日号)
7「トランプ資産報告書の中身」(「週刊文春」7月16日号)
8「田中みな実の脱あざとすぎ人生」(「週刊文春」7月16日号)
9「史上最凶 風俗スカウト集団ナチュラルの全貌」(「週刊文春」7月16日号)
10「日本人には理解不能 韓国で袋叩きにあう洪明甫前監督に米国亡命説」(「週刊新潮」7月16日号)
今週は腹が立つことが多かった。
作家の林真理子が『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎新書)という本を出したらしい。
林は70代前半らしいが、私のような80歳を超えた人間には腹立たしいというか、「いい加減にせいよ」といいたくなるタイトルである。
俺の周りには80オーバーが多くいるが、現役で頑張っている人たちは多い。
たしかに、80代になると認知症になる人が増えるとはいわれるが、そうでない人も多くいる。
私は編集者という仕事柄、多くの死を見てきた。週刊現代編集部員でも、50代前半で亡くなってしまった優秀な編集者がいっぱいいた。
私の頃は、週刊誌の編集長をやった人間は60歳まで生きられないといわれた。事実、名を成した多くの名編集長が還暦を待たずして亡くなってしまった。
手前勝手にいわせてもらえば、週刊誌屋というのは過酷な仕事である。人と会い、酒を飲み、カラオケを歌い、朝方までゴールデン街で侃々諤々、喧嘩のような口論をして、朝方帰り、3~4時間寝て、フラフラと昼の街に出ていくのだ。
当てがあるわけではなかったが、入社当時、朝起きて真っ先にやったのはホテルの催事をチェックすることだった。
あの頃も、政治家の資金集めのパーティーはオオクラや帝国、ニューオータニが多かった。
それを書き留めて、夜、取材と称してパーティに潜り込み、政治家や官僚、企業の社長などに名刺を配り、色よい返事をしてくれた人間に、翌日電話をしてアポを取る。
そうやって人脈を増やしていった。3年で1万枚の名刺が溜まった。嬉しかった。
パソコンもスマホもFAXもなかった時代だった。人に会うのがなかなか容易いことではなかった時代だった。
睡眠を削って人に会いに行かなくてはならない。酒は浴びるほど呑んだ。映画を観た。歌舞伎からクラシック音楽まで観た、聞いた。
それが自分の血となり肉になったのは、私がFRIDAYの編集長になった頃からだった。
あの時代から早、40年以上の時が過ぎた。たしかに頭はボケてきているし、パソコンを使うのは割合早かったから、漢字はほとんど忘れた。
体は老人病の宝庫だし、杖をついても満足に歩けなくなった。だが、人間80年も生きてくれば当然のことで、それが恥ずかしい、みっともないなんて思わない。
たしかに私から見れば70歳はまだ若い。鼻垂れ小僧だ。
だが、人生は80歳からが面白いという本もある。今、外国では「生き甲斐」が「IKIGAI」という英語になってブームだと読んだことがある。
毎朝、起きた時に「これをやろう」「あれに会いたい」という生き甲斐があれば、古びた人間、老人は楽しく生きられるそうだ。
80代の人間がみなボケで、生き甲斐喪失人間ばかりだと思っている林真理子に、一発食らわせなければいけないだろうな。
今一つは、週刊文春が火を付けた、高市陣営がつくり垂れ流していた中傷動画問題である。
連続追及していたのに、先週からパタッとやめてしまった。なぜなのか?
高市首相の公設第一秘書とタッグを組んで総裁選や衆院選で、大量の相手候補を中傷する動画をつくり、SNSで流れていたのは事実なのか?
動画づくりを手伝っていたと告白している松井健なる人物のいい加減さが、他誌で報じられているが、文春も、その男の口車に乗せられて、マンマとはめられたのではないのか?
ここの2週の「沈黙」はいったいどうしたことだろう。
動画などに写り込んでいた写真が、だいぶ後の写真が紛れ込んでいて、時系列的にあり得ないと考え、それらを一時停止したが、その裏で何が起こっているのか。
文春は、ネットはもちろん、新聞やテレビよりも信頼度の高いメディアである。間違った時は間違ったといわないと、文春の社会的信用が地に堕ちる。
文春の「言い訳」を早く聞きたい。
さて、今週の第一報は、世界中でブームを起こしているサッカーW杯のお話である。
サッカーに不思議の勝ちなし。今週行われるサッカーW杯の準決勝へ進んだ4チームは、誰からも強いといわれる1位から4位までのチームが残った。
はなから世界で上位ではなかった日本代表は、お呼びではなかったのだ。
それにしては、森保一監督に対する批判の声はあまり聞こえない。
だが、お隣の韓国では、北中米W杯のグループリーグで敗退した韓国代表には、激しいバッシングが起き、中でも洪監督に対して李在明大統領は、「無能な人物を指揮官に選べば、結果は火を見るより明らかだ」と激烈に批判しているそうだ。
スポーツの世界は結果がすべてといわれるが、「洪監督入店禁止」の店もあるという。
そのため洪監督はすでに、家族の住んでいるアメリカのロサンゼルスへ出国し、亡命するのではないかとまでいわれているようだ。
今後捜査は本格化し、監督の選考過程も調査するための聴聞会が開かれるそうだが、それに監督が応じなければ“非国民”扱いになり、2度と韓国の地は踏めないことになるといわれているそうだ。
いやはやたかがサッカー、されどサッカー。日本はまだまだ甘いということか。
話は全然違うが、ここにコメントを出している旧知の「コリア・レポート」編集長の辺真一も健在のようだし、産経新聞のソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘もご活躍のようだ。まだまだ長生きして、健筆をふるってください。
お次は史上“最凶”といわれる風俗スカウト集団「ナチュラル」の全貌を暴こうとしている文春の記事。
これまでも様々な週刊誌が「ナチュラル」の実態を報じてきたが、大物は捕まるが、組織自体は微動だにしないようだ。
文春によれば、法廷に立った筋骨隆々の男は肩を怒らせ、淡々とした口調で起訴内容を認めた。5月21日、東京地裁で行われたのは、国内最大規模のスカウト集団「ナチュラル」会長の「木山」こと小畑寬昭被告(41)。彼の初公判だという。
2023年から翌年にかけて、スカウトした女性を性風俗店に斡旋したとして、職業安定法違反(有害業務の紹介)に問われている。
「木山は六代目山口組系落合金町連合幹部に六十万円のみかじめ料を支払ったとして、昨年一月に東京都暴力団排除条例違反の疑いで逮捕状が発付されました。その後、逃亡。今年一月二十一日、公開手配のポスター千枚を作成し、公開捜査に切り替えたところ『奄美に似ている人物がいる』という情報提供があったのです」(社会部記者)
潜伏先の奄美大島で身柄が確保されたのは、同月26日夜。その後、職業安定法違反容疑などで再逮捕された。
文春によれば、「広告ナビ」「ホワイト」「スマイル」などと名称を変えながら活動を続ける匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の代表格であるナチュラルは約1500人のメンバーを擁し、全国の風俗店などから掻き集めたブラックマネーは年約50億円を超えるという。
暴力団とは共存関係で、多額の資金が流れていると見られる。木山が一代で創り上げた組織だそうである。
「一九八五年二月、木山は双子の兄として埼玉県入間市に生まれた。出生時の名は小長谷寛昭。
父は都内の小学校で教鞭をとり、後に校長を歴任した名物教師だった。教育熱心な家庭に生まれた少年時代の木山は野球に没頭。自宅の庭でバットを振り回し、『長嶋茂雄みたいになりたいんだよね』と周囲に語った。小中学校時代の同級生が明かす。
『小学四年生の秋、兄弟は現役自衛隊員が監督をやっている少年野球チームに入団。僕らの代は入間市で三位に入るくらい強く、アイツらは野球一筋で上手かった。二人とも健康志向で懸垂など筋トレが好きだった』」(文春)
武蔵越生高校にはスポーツ推薦で入学。だが野球では芽が出なかったそうだ。
高校卒業後、地元の駿河台大学に進学。野球を続けたが、ここでも芽は出なかった。
その頃から、木山は西東京随一の歓楽街、立川という新天地に身を置き始め、2006年、21歳の彼は、立川のスカウト集団Lの門を叩いたというのだ。
当時を知るLの元幹部が記憶を辿る。
「あいつは収入が安定している自衛隊の入隊などに失敗して、仕事を求めてうちに入ってきたんです」
しかし、「地元のツッパリに虐められて上司が助けに行ったほど弱い奴だったけど、『稼ぎたい』という欲が強かった。仕事をするのは週2〜4回くらい。立川ではまったく結果を残せなかった」(同前)
そんな奴がなぜ?
立川では芽が出ないと思ったのだろう、ショバを歌舞伎町に変えるといったそうだ。
弟2人を入れて、歌舞伎町でようやく頭角を現していった。
「組織が急拡大するにつれ、彼らは暴力性を身に纏い始める。二十年六月、歌舞伎町で暴力団の縄張りを荒らしたとして、ナチュラルは暴力団から大掛かりな襲撃を受けた。約五カ月後の同年十月、警視庁は住吉会系組員の男四人と、ナチュラルの男三人を暴力行為等処罰法違反や傷害の容疑で逮捕した。
『木山は警察の捜査を逃れるため、戸籍上の名前を「西田」に変えていた。その後も「西方」「小畑」と頻繁に改姓した」(捜査関係者)』(文春)
木山と十年来の付き合いのある旧友がこういう。
「ナチュラルのメンバーは、トラブると必ず木山さんを呼ぶ。彼は昼夜問わず遠方にいても『今から行きます』と、絶対に駆けつけてケツを拭く(トラブル処理をする)。自分のところの若い奴に非がないと分かると攻撃に転じ、歌舞伎町の駐車場で数人相手に一人タイマン張っていましたね」
トラブル解決に万全を期すため深酒を厳に慎み、仲間に対しても過剰なまでの警戒を怠らなかったという。
「写真は絶対に撮らせず、『LINEは流出するから怖い』と言って、連絡は常に電話か、ショートメッセージだった」(同前)
「警戒心」に加え、木山を象徴するキーワードの1つが、徹底した「礼儀」である。ある警察関係者が、木山の印象について語る。
「常に敬語で腰が低く、まるで企業の社長のよう。面識のある捜査員に対しては開口一番、『うちの奴が迷惑かけてすみません』と話していた。私はヤクザの直参クラスや怒羅権の幹部など様々な人間を見てきましたが、木山はずば抜けて礼儀正しかった。『付いてくる人間もいるだろうな』というのが正直な感想です」
よくいわれることだが、ナチュラルは普通の企業のような組織だという。会長以下、執行役員や代表・専務、本部長など、一般企業のような役職がある。スカウトたちを統括するのが、「本社」と呼ばれるメンバーだ。
「集金課、総務課、アプリ課など様々な部門に分かれている。警察当局を『ウイルス』『プロ』と呼んで敵視していますが、プロ課は警察対策を担う部署で、風営法改正についての勉強会も開いている。組織防衛を担う防衛部という部署もある。本社には約百五十人が所属している」(社会部デスク)
主な収益源はスカウトバックと呼ばれる違法な紹介料。女性を風俗店に斡旋すると、毎月の稼ぎの約15%が入ってくるそうである。
「女性が働く限り入ってくるので、月百万以上を稼ぐやり手スカウトも多い。中には月一千万円以上を手にする人間もいる」(同前)
これも毎度いわれることだが、ナチュラルという組織の異質さを物語るのが、iPhone特化型の“闇アプリ”「Chat Alpha(チャットアルファ)」を数千万円かけて、独自で開発したことだ。
このアプリは23年以降、全メンバーへの導入が義務化されたが、女性を風俗店などに紹介するための求人情報の閲覧や、スカウトバックのシステム管理など実務上の機能だけではなく、メンバーが逮捕された際に遠隔操作でデータを削除する機能もある。また、メンバーの裏切りを監視するため、GPS機能で常にメンバーの居場所が分かる仕組みになっているというのだからすごい。
「既製のアプリに改良を加えたものですが、アップルから企業向けMDM(モバイルデバイス管理)の認可をもらうには法人格が必要。そこで、木山は日本の警察の目を逃れるため、IT立国のエストニアに法人を作った。実際、ナチュラルは木山の一番下の弟の名義で申請しています」(捜査幹部)
アプリを設計したとされているのがX。Xは慶應大学SFC卒で、在学中は自然言語処理や認知科学の領域を研究していたという。
いまだに組織は崩壊していない。
「双子の弟はまだメンバーにいる。兄弟が創り上げた本社の仕組みが強固で、システマチックなため、会長が不在でも回っているようです」(捜査関係者)
頭を捕らえても、組織はすぐに次のトップに首を挿げ替える。警察とのいたちごっこはまだ終わらないようである。
